あなたが多分尋ねるだろう最初の質問。


「創業資金は、

どこから調達すればいいのですか?」


大抵は多くの人が、その答えは、

部外者からお金を集めることだと

思っています。


あなたが、工場またはレストランか何かを

始めようとしているなら、設備投資として

外部からの資金調達を

本当に必要とするかもしれません。


しかし、多くの会社では、

多額な創業資金を必要としません 、

特に最近では。


我々は、現在サービス産業で働いています。

サービス産業(例えば、コンサルタント、

ソフトウェア会社、結婚式のプランナー、

グラフィック・デザイナーや

その他何百というサービス業界の人たち)だと、

あまり活発に動く必要がありません。


もしあなたが、

そんなビジネスを営んでいるなら、

外部からの資金提供を避けてください。


実際のところ、あなたが

どんな種類のビジネスを始めるにしろ、

出来る限り外部からの資金調達は

避けてください。


他の人に資金を提供してもらうことは、

何か素晴らしいことのように聞こえるかも

知れません。


しかし、そこにはしっかり「ヒモ」が結びつけ

られているのです。


あなたは、コントロールをあきらめます。


資金提供に関して部外者に問い合わせれば、

あなたも彼らに応えなければなりません。

相手が誰であれ賛同してくれれば、

先ずはすばらしいことだと思えます。


しかし、何かが道の下に隠されていませんか?

あなたが他の誰かから命令を受けるような

あなた自身のビジネスを始めるのですか?


必要な資金は自分で確保することです。

それはあなたが解決すべきことなのです。



「支払いを済ませる」ということは、

良質なビジネス構築の切り札となります。


投資家は、自分たちの資金回収を望みます

それも素早く(通常3~5年)。


彼らが出来る限り早く現金を回収しようとすれば

(あなたのビジネスの)長期的持続性は

窓から出て行ってしまいます。



他人のお金を使うことには

習慣性があります。


他人のお金を使うほど簡単なことは

何もありません。

だが、あなたはそのお金を使えば、

それ以上に多く回収する必要があります。


そして、あなたが回収するたびに、

彼らはあなたの会社からより多くを

回収しようとします。



それは、大抵悪い取引。


ビジネスを始めたばかりの頃は、

あなたにはまだ「てこの原理」が働きません。

それは、どんな金融取引を始めるにしても

厳しい時期です。



顧客はトーテムポールを降りてきます。


結局あなたは、顧客が欲しいものの代わりに

投資家が求めるものを作って終ります。

(訳注:製品やサービスの質が下がり、

結果として顧客の質も下がるということ)



お金を工面することは、

信じられないほど気が散ります。


資金提供者を見つけることは難しくて、

なかなか実現しません。


しかも、クソみたいな会議、法的な駆け引き、

契約書作成などで、何カ月にも及ぶ、

手間隙がかかります。


あなたが何か本当にすばらしいものを

作り上げるのにフォーカスしなければならないとき、

それは莫大な注意散漫期間と言えるでしょう。


起業家にとって、

それに見合う価値はありません。


こういう資金集めを行ってきた

ビジネス・オーナーから

我々は再三連絡をもらったことがあり、

本当に残念に思います。


資金提供者は、

通常投資(単なる二日酔い物語)に、

様々なバリエーションを与えます。


あなたはその素早い投資に

最初は興奮を覚えます。


でも、それからあなたが投資家や

(あるいは)役員たちとの会議を始める頃までには、

他の誰かが既に会社を仕切っていて、

その頃には、あなたは

こんな独り言を言っているはずです。

「でもって、私自身は何を手に入れた?」


あなたがそのヒモの輪に頭を通す前に、

今こそ、別の方法を探してください。


(つづく)


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アメリカでの起業者で、

創業時に自分が持っている全ての

クレジット・カードのキャッシング枠一杯の

借金をして、事業を立ち上げた人もいる。

(三ヶ月後には、返済できる自身があって

やったことなのだが・・・)


もちろん成功したからこそ、

本人が本に書いていることなのだが、

よほどのビジネスでない限り

(既に十分な顧客が確保されている等)、

非常に危険な方法だ。


日本では、ベンチャー・キャピタルが

アメリカほど発達していない代わりに、

公的な助成金や補助金制度がある。


そういう資金なら、相手が経営に

口出してくることはないだろうが、

それでも、やはり最後の手段と考えた方が

いいだろう。


先ずは、自分でどこまでやれるか?


次に家族や親戚を説得してみよう。

ここで、説得できないなら

一般金融機関からの融資は

難しいと言わざるを得ない。


事業プランを徹底的に見直して

どうしても創業時に必要なモノと

そうでないモノを分けたり、

購入ではなく、リースやレンタルで

揃えられないかも考えてみることだ。


他の人には出来ていないことを、

あなたが今やっているとしたら、

それがあなたを成功に近づけるのだ。


あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウをこれからも紹介していこう。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)


ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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