UnMarketing(アンマーケティング)


UnMarketing: Stop Marketing. Start Engaging./Scott Stratten

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UnMarketingは、Marketingに否定の接頭語「Un」を付けて

従来のマーケティングの考え方を否定し、

さらにそこから超えた考え方であり、ノウハウでもある。

これは、この本の著者、Scott Strattenの造語である。



ウルペンのドリームピラミッド-Scott Stratten

<Scott Stratten>


イントロダクション


「Good afternoon!(こんにちは!)」


それは、一つのシンプルな行為で

10億ドルのビジネスを立ち上げるという

私の意見を変えることになる

一連の出来事のきっかけでした。


ここで説明させてください。

私がラスベガスを「エンジョイ」することは、

秘密でも何でもありません。


ここ最近の4年間で15回もそこへ行ったので、

私は自分がSin City(シン・シティ:罪の街)の

非公式のツアーガイドであり、

住人だとさえ思っているくらいです。


あなたがラスベガスで

間違いなく見逃すことができない場所、

それが「Wynn(ウィン)」なのです。

それは、非常にファンシーで、

非常にプリティーで、しかも非常に高価です。


ラスベガスで一つのホテルを建てるのに

27億ドルもかかれば、

99セントのホットドッグを売っていては

その費用の元が取れるとは思えません。


私は「ウィン」が特別好きでありませんでした。

それは否定的な意味ではなく、、

そのホテルが単に私のレーダーに

映っていなかっただけだったのです。


その土曜日までに

「MGM Crand」、「ヴネチュア」と

他のホテルで宿泊し快適になった後では、

私は、宿泊先を変える必要性を

全く感じていませんでした。


その日、Blog World conference

(ブログ・ワールド会議)が「ウィン」で

開催されていたのです。


私は、友人と二人で、

そのホテルの堂々としたドアを通って

中に入っていきました。


我々が中に入るとすぐに、

大きなカーペット掃除機で掃除している

男性(Wes:ウェズ)の姿が目に止まりましたが、

離れた場所にいたので、

特別気になることもありませんでした。

しかし、彼は別のことを考えていました。


彼は、作業の手を止め、私たちを見上げ、

そして、微笑んだのです。


彼の微笑みは、

「微笑むことは、私の仕事の一部です」といった

紋切の笑みではなく、誠実で暖かい、

まさに本物の微笑でした。


そして、彼は我々から視線を外すことなく

こう言ったのです。

「こんにちは、ようこそウィンへ。

今日一日、どうかエンジョイされますように!」


それは、まるで彼のミッションが

我々が本当にそう思ってくれることを

保証することにあるかのようでした。


彼の歓迎は、

ウィンに対する私の全ての認識を変えました。

ほぼ30億ドルもかけて作られた

この大きな「メガ・カジノ・リゾート」に入りましたが

私をそこに滞在させたくしたのは、

一人の男性だったのです。


彼は、私にこのことを世界に知らせたくなりました

(このことをブログに書きたくなりました)。


カーペット掃除人。


私はヴェガスのカジノで

数百人もの掃除人の横を通り過ぎましたが、

めったにアイ・コンタクトをされたことはなく、

それに、一度だって歓迎されているとは

感じさせてもらえませんでした。


実のところ ... 私は、

ヴェガスではどこであれ、

そんな風に迎えられたことは

只の一度もありませんでした。


それは、素晴らしいいことでありながら、

同時に悲しいことでした。


この紳士(その人は、彼の勤務場所で歓迎されると

私に感じさせてくれたのです)は、

特別なだけでなく、とても珍しい存在だったのです。


全てのカジノ(そして、おそらくビジネスにおける

あなた方の大部分)は、

大抵同じ「スタッフ(モノ)」を持っています。


すべての会計士は会計サービスを提供し、

すべてのコーヒー・チェーンは

コーヒーを出し、

そして、すべての五つ星のリゾートには

高級な雰囲気やスパ(温泉)と

美しい様式があります。

しかし、

ある一つのリゾート・ホテルだけにしか

ウェズはいません。


マーケティングは、

task(務め)ではありません。

マーケティングは、

department(一部門)ではありません。

マーケティングは、

job(仕事)ではありません。


あなたが過去や現在の顧客、そして

潜在的顧客とつき合う(そうでなくても)たびに、

マーケティングは起こります。


UnMarketingでは、さらにもうワン・ステップ

考えます。

誰かがあなたの会社について話すという時、

いつでもマーケティングは起こりえるのです。


口コミは、プロジェクトでもなければ、

バイラルマーケティング戦略でもありません。

口はすでに動いています。

あなたは、

会話の一部でありたい(訳注:話題になる)か

どうかについて決める必要があります。

これがなぜ私がUnMarketing

(あなたの市場で勝ち抜く力)

と呼ぶのかという理由です。


数千人の従業員がいるか、あるいは

あなた一人のワン・マン・ショーかどうかに

かかわらず、

あなたは常にUnMarketingです。


それは自然に起こることであり、

あなたを病気にさせる程強要させるものでは

ありません。


それは本物であり、個人的であり、そして、

それは生涯のファンを造り、コミュニケーションし、

顧客を作る方法なのです。


(つづく)

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Wynn Las Vegas :


「世界で最も高級なホテル」。

こう形容されつつ建設が進められ、

ついに2005年4月にオープンした

ウィン・ラスベガス・ホテルは、

「ミラージュ」「トレジャーアイランド(現・T.I.)」、

そして、このホテルが出来るまでは

ラスベガスで最も高級なホテルとされていた

「ベラージオ」を創ったスティーブ・ウィン氏が、

自分の名前を冠したホテルということで、

その意気込みが随所に感じられる素晴らしいホテル。


ラスベガスでいくつものホテルに泊まるなら、

絶対最後に泊まるべきホテルだと言われている。

一度このホテルに泊まると

あまりにも素晴らしい設備とサービスのせいで

他のホテルでの宿泊が実際上につまらなく

感じてしまうからだ。



ウルペンのドリームピラミッド-Wynn Las Vegas


私も過去に一度だけ、ヴェガスに行ったことがある。

当時は、この「ウイン」はまだ影も形もなく、

その時の宿泊先は、ピラミッド大好きな私にとって

思い出となる、

ピラミッド型の建物の「ルクソール」だった。



あなたのビジネスにおいて、

生涯に渡ってリピートし、

繰り返し新たな顧客を紹介してくれる、

そんな理想的な顧客を

どうやって獲得し維持し続けるのか、

それをこの本、「UNMARKETING」から

少しずつ紹介していこう。


by ウルフペンギン