あなたが何かを始めるときは、

自分が何故それをするのかを忘れないでください。


偉大なビジネスには、

製品やサービス以外に

大事な point of view(視点)があります。


あなたは、何かを信じなければなりません。

あなたは、backbone(バックボーン)を必要と

します。

あなたは、何のために戦おうとしているのか

わかっている必要があります。

そして、あなたはそれを世界に示す必要が

あるのです。


強い姿勢は、「スーパーファン」を引き寄せます。

彼らはあなたを指さして、

あなたは正しいと言ってくれるでしょう。

そして、彼らは、どんな広告よりも

遠く、広く、そして、情熱的に、

言葉を広めてくれるのです。


断固たる意見は、無料でありません。

あなたは、何人かの人々を

うんざりさせるでしょう。

彼らは、あなたを尊大でよそよそしいと

非難するはずです。


それが人生です。


あなたを愛している人たちがいれば、

あなたを嫌いな人たちもいるのです。

あなたが言っていることで

その人が動揺しなければ、

あなたは十分に強くプッシュしていないのです。

(そうなら、多分あなたも退屈でしょう。)


私たちの製品が競合他社製品よりも

入力手間が楽なので、

多くの人々が私たちを嫌っています。


競合他社がお気に入りの機能を

私たちが取り入れることを拒否すれば、

彼らは侮辱されたと思うでしょう。


しかし、彼らの製品が

その機能を取り入れるのとちょうど同じくらい

私たちの製品がそうしないことを

誇りに思っています。


私たちは、大抵のソフトウェアが

複雑過ぎる(あまりに多くの特徴、

あまりに多くのボタン、あまりにたくさんの混乱)

と思っていたので、

自分たちのソフトウェアは、

分かりやすいように設計したのです。


そこで、私たちは、

既存製品とは正反対のソフトウェアを

開発したのです。

私たちが作ったものが、

誰にとってでも正しいというわけではないなら、

それはOKなのです。


他の人たちが、

私たちの製品を非常に好きだというのなら

それは、私たちが一部の顧客を失う

という意味なのです。

それが、砂に引いた私たちの線なのです。


自分が何を信じているか分からなければ

全てが議論となります。

全てに疑問の余地が生じます。

しかし、あなたが何かを支持すれば、

決まるのです。


たとえば、Whole Foods(*)は、

最高品質のナチュラルでオーガニックな製品が

手に入る事が「売り」だと表明しています。

彼らは、自社製品に何がふさわしいか、

何度も何度もよく考えて決定し、

決して時間を無駄にしません。


「我々は、人工調味料の製品を

売るべきだろうか?」などと

誰も尋ねたりはしないのです。


そこには「議論」は全くありません。

答えは明白です。


そういうわけで、

コークやスニッカーズ(**)を

そこで買うことはできないのです。


この信念は、Whole Foodsでは

食料品が他より高価だということを意味します。

Whole Foodsが嫌いな一部の人たちは、

Whole Paycheck(全部が給与)と呼んだりして、

そこで買い物をする人々さえからかったりします。


だからって、

それがどうだというんでしょうか?

Whole Foodsは、ちゃんとうまくやっているのです。


もう一つの例は、

シカゴの私たちのオフィスから

ちょうど通りに沿って下ったところにある、

Vinnie's Sub Shop(ヴィニーのサブ・ショップ)

(***)です。


彼らは、自家製のバジル油を

ただでさえ完璧な「サブ」に付けてくれます。


もっとも、あなたがこの「サブ」を食べたかったら

時間通りに店に行った方がいいでしょう。

店がいつ閉まるか、

スタッフに聞いてみてください。

たぶん、カウンターの向こう側にいる女性は

「パンがなくなれば、閉店します」と、

答えるからです。


本当に?

「ええ。 私たちは毎朝早く、

通りの先のパン屋に行っては

出来立てのパンを仕入れてくるんです。


サブが完売すれば(大抵は午後の2時か3時)、

私たちは店を閉めます。

もちろん、パンがなくなれば

その日の午後にでも仕入れに行くことは

可能です。


でも、そのパンは朝の焼きたてのパンほど

おいしくはないのです。

パンがおいしくないなら、

もうそれ以上

サンドイッチを売る意味がありません。


たった数ドルでは、

自分たちが誇りに思えないような食べ物を売る

埋め合わせにはならないでしょう。」


一部の一般的なサンドイッチ・チェーン店よりも

こんな店でむしろ食べてみたいと思いませんか?



(つづく)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


*ホールフーズ・マーケット

(Whole Foods Market、NASDAQ: WFMI)は、
テキサス州・オースティンを本拠とする、アメリカ合衆国の

グロサリー・ストア(食料品スーパーマーケット)チェーン。


アメリカ合衆国を中心に、カナダとイギリスを含めて、

合計270店舗以上を展開(2007年9月現在)する。
グルメ・フード、自然食品、オーガニック・フード、

ベジタリアン・フード、輸入食品、各種ワイン、

ユニークな冷凍食品も品揃えし、
いわゆる「グルメ・スーパーマーケット」と呼ばれる

比較的高級志向の食料品小売店に分類されている。


**スニッカーズ(Snickers)は、

マーズ社 (日本での発売元はマスターフーズ) が販売している

スナックバー。

ピーナッツ入りのヌガーの上に

キャラメルを絡めたピーナッツの層を重ね、

ミルクチョコレートで全体を覆った棒状の菓子。

そのため非常に甘く、1本でかなりの満腹感がある。


***Sub(サブ)は、

「Submarine」から来ていて、「Submarine Sandwich」すなわち、

潜水艦のような形のサンドウィッチのこと。


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iPodやiPhone, iPadでは「Adobe」の「Flash」が

使えない。


アップルのスティーブ・ジョブズ会長が、

OKしないからだ。


それで、不自由することもある。

トップページが「Flash」の動画になっている

Webサイトは全く見られないからだ。


ジョブズの考えは、

「砂に線を引くこと」だったのだ。


iTunesとの連携の楽しさ、便利さよりも

Flash動画を優先したい顧客を

あえて取り込もうとはしない、ということだ。


また、日本のようなガラパゴス携帯市場に

合わせた国別特化商品も開発しない、

という線も引いている。


そういうスマートフォンがいいのなら

「どこかのAndroidスマホを買えば」

というのが、ジョブズの答えなのだ。


あなたのビジネスでも、

あらゆる見込み客を相手にしてはいけない。


自分が相手にしたい、売りたい、

ファンになってもらいたい顧客のイメージを

しっかり固めよう!


あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウをこれからも紹介していこう。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)


ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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