1971年、オレゴン大学の陸上コーチの

Bill Bowerman(ビル・バウワーマン)は、

自分のチームにはもっと良い、もっと軽い

ランニングシューズが必要だと、

考えていました。


ある日の朝食でベルギーワッフルを食べた際に

その形に閃き、

早速彼は、既に立ち上げていた

スポーツ関連の道具製造工房へ行って

靴のソール用ゴムを

家庭用のワッフル焼き型へ注入したのです。


それは、NIKE(ナイキ)の有名な

「ワッフルソール」生まれた瞬間でした。(*)



ウルペンのドリームピラミッド-ワッフルソール


<1973年に発売された有名な「ワッフルソール」>


前回ご紹介したジェイソン・フリードと

デイビッド・H・ハンソン、

そしてあのジェイムス・ダイソンなど

これらの人々は、

彼ら自身のかゆみをひっかいて、

まさに彼らが必要としたものを

同じように必要とした人々のための

巨大な市場を出現させたのです。


このノウハウは、

あなたにも適用されていいはずです。


必要とするものを作るとき、

素早く、そして直接(代理人に頼まず)

作れば、製品の品質を、

あなた自身で評価することもできるのです。


Mmary Kay Wagner(メアリー・ケイ・ワグナー:

Mary Kay Cosmeticsの創業者)は、

彼女自身が自社のスキンケア製品を

利用していたので

それがいかに素晴らしいかは

彼女自身が一番良く知っていたのです。


自家製のスキンケア製品のレシピを

お客や親類、友人などに売っていた

地元の美容師から、

彼女はその製品を入手したのです。


美容師が亡くなったとき、

ワグナーはその美容師の遺族から

レシピの権利を購入したのです。


彼女は、その製品がよかったということを

自分で体験してよく知っていたため

フォーカスグループ、またはさらなる研究は

必要ありませんでした。


彼女は、まさに自分自身の

皮膚を見ているだけでよかったのです。(**)


とりわけ、この

「自分自身の問題を解決する」という

アプローチは、あなた自身が作っているモノに

恋してしまうようにさせるでしょう。


あなたは、しっかりと

問題とその解決の価値を理解しており、

他の人では絶対無理なのです。


結局、あなたは(希望を抱いて)、

その問題の解決のために

長年の間、取組むはずです。

多分、残りの自分の余生をかけてでも。


その結果、あなた自身が

心底気にかけていた何かを

よりよくすることができるのです。


(つづく)


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*スタンフォード大学で経済学を学んでいた学生

フィル・ナイトと、
オレゴン大学の陸上コーチであった

ビル・バウワーマンが前身である

ブルーリボンスポーツ(BRS)社を設立。


同社は日本からオニツカタイガー(現アシックス)の

ランニングシューズを輸入し、アメリカ国内で販売していた。

二人はより高い利益を求め、

オニツカタイガーの技術者の強引な引き抜きなどを行い、
オニツカタイガーの競合社である

福岡のアサヒコーポレーションでトレーニングシューズを生産、
ナイキのブランド名で販売した。


提携終了後もオニツカタイガーが

ビル・バウワーマンのデザインした靴を販売していたため、
1億数千万円の和解金を受け取る裁判を起こしたことは有名。


なお、製造工場を人件費の安い、東南アジア各地で行い、

場所によっては、子どもたちを不法就労させたとして

「フェアトレード」ではない企業という汚名をもらう。

(その後、改善されたということになっている。

この問題は、いつかまた別の機会に書きたい)


**Journal of Business leadership 1, no.1

(1988年4月)

http://www.anbhf.org/laureates/mkash.html



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使ったことがないセールスマンの言う

「この製品は素晴らしいですよ」は

全くあてにならない。


ベンツのセールスマンは、

日常的にベンツを運転していないと

プレゼンに無理が生じる。


その違和感を、シビアな見込み客は

感じ取ってしまうのだ。

製品そのものに不審は抱かなくても

担当セールスに不信感を抱くと

見込み客は、

別の担当者、別の店から買おうとするだろう。


しゃれたパワーポイントのプレゼンよりも

その製品で、自分がどう変わったかを

話した方が人は興味を抱く。


その変化を語れるということは

その製品がなかった人生をも

語れるということなのだ。


実は、そこに共感する隠れた見込み客は

あなたが思っている以上に多い。


起業は思っている程、難しいものではない。

あなたの気付いた不便さを解消すること、

それが、自分の土俵で勝負する

ということなのだ。


難しく考えることはない。

考えすぎて行動が遅れるよりも、

多少荒削りでも思い立ったら行動した方が

早く経験できて、早く軌道修正もできる。


あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウを徐々に紹介していく予定だ。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)


ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried

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