なぜ拡大するのでしょうか?


「あなたの会社は、
どれくらいの規模ですか?」と、

人々は尋ねます。


それはお喋り(Small talk)ですが、

だからと言って彼らは

小さな答え(small answer)を

求めているわけではありません。


より大きい数値ほど、

より印象的であり、より専門的であり、

よりパワフルに聞こえます。


あなたの会社の従業員が100名以上なら、

「へぇ~、凄いですねぇ!」と、

相手は言うでしょう。


でも、あなたの会社規模が小さくても

「ああ ... それは素晴らしいですね」 と

言われるはずです。


但し、前者は、賛辞として、

後者は、まるで警察官の取調べのように。


それは、なぜなのでしょうか?

それは、事業規模拡大とビジネスに関連すること

なのでしょうか?
なぜ、「拡大」が常にゴールなのでしょうか?


「エゴ」以外に「規模」を引きつける力は、

あるのでしょうか?
(あなたは、「規模の経済」より

良い答えを必要とします。 )


正しい「規模」を見つけて、

そこにとどまることのどこが

間違っているのでしょうか?


我々が、

ハーヴァード大学やオックスフォード大学に

注目して、こう言ったとします。

「もし、彼らが規模を拡大し、提携校を増やし、

何千という教授を雇って世界に進出し、

世界中でキャンパスを設ければ、

・・・間違いなく偉大な大学となる」


もちろん、そうはなりません。


「規模」は、我々がこれらの大学の

価値を計る方法ではないからです。


それなのに、なぜ、「規模」が、

ビジネスを評価する方法となるのでしょうか?


もしかして、あなたの会社にとっての

適切な規模は、5人かも知れない。。

もしかして、それは40人かも知れない。

あるいは、200人かも知れない。


あるいは、もしかして、あなた一人と

ノート・パソコンだけかも知れません。


ビジネスを始める前に、

どのくらいの規模になるべきかなんて、

想定しないでください。


ゆっくりと、何が正しいと感じるか

考えてみてください。

早まった雇用が、多くの会社の終焉を

早めているのです。


そして、巨大な急成長も避けることです。

そのせいで、正にあなたにとっての

適切なサイズが消し飛ばされてしまう可能性が

あるからです。


小さいからといって踏み石ではありません。

大きな目的地は、本来小さいものです。


中小企業が、今より大きくなろうと

願っている間に、

大企業はもっと機敏で柔軟になろうと

夢見ていることに、気がついていましたか?


そして、忘れないでください。


一旦ビジネスが大きくなってしまうと、

従業員を辞めさせることなく、

従業員の士気を下げることもなく、

ビジネスのあらゆることを変えることもなく

ビジネスを縮小させるのは、

非常に難しいということを。


大きくすることが、

あなたのゴールである必要はありません。


それに、私たちは、

あなたのところで働いている従業員の

数についてだけ話しているわけではありません。


このことは、経費、家賃、IT基盤整備費、

オフィス家具、その他のことについても

言えることなのです。


これらのことが、あなたの身に起こるという

わけではありません。

あなたは、新たな従業員を雇うべきかどうか

決めます。

そして、彼らを雇うとなれば、

あなたにはまた新たな頭痛の種となるでしょう。


できるだけ経費を節約し、

複雑なビジネス(より難しくて、

経営するためにストレスを感じるもの)を

立ち上げることにあなたの力を使うことを

封印してください。

中小企業であろうとすることについて

不安を感じないでください。


ビジネスが

大きいか小さいかどうかにかかわらず、

持続可能で利益をもたらすビジネスを

運営する人は誰でも

誇り高くなければならないのです。



(つづく)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「大きいことはいいことだ」ではない。

あらゆることに、最適な「規模」というものがある。


その「規模」を逸脱してまで、

ビジネスを拡大させることは

結果的に己の首を締めることになる。


最初うまくいくと、多くの人が

その延長線で事業を急に拡大させようとする。


そうやって、コントロール出来ないことを

増やし続けて、経営が悪化していくのだ。


飲食店では、特に顕著となる。


一号店が流行ったからといって、

銀行融資で支店を何店舗も出したり、

フランチャイズに乗り出して失敗する

お店は後を絶たない。


小さくてもいいのだ。

いや、小さいことがいいのだ。


あなたのオリジナル・アイデアを基に

ビジネスを小さく立ち上げよう。


そのためには、

世間の反応、いや、友人、知人、

そして家族や親戚の反応などに

左右されてはいけない。


あなたのアイデアを形にしよう!

広い世界では、

そのアイデアを今も待ち焦がれている

人たちがいるはずだ。


さぁ、ビジネスを立ち上げよう!


但し、何やってもいいというわけではない。

各人の強みを生かした上で、

市場の「ウォンツ」(「ニーズ」ではない)に

フォーカスしたビジネスを始める必要がある。


その辺りのノウハウを徐々に紹介していく予定だ。


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Jason Fried(ジェイソン・フリード)と

David Heinemeier Hansson(デイビッド・H・ハンソン)

という若者が1999年に、Webデザインの

コンサルタント会社を立ち上げた時、

全社員は彼らを含めてたったの3人だけだった。

(成功した今でも社員は20名に満たない!)



ウルペンのドリームピラミッド-Jason Fried

<JKason Fried>



ウルペンのドリームピラミッド-David H. Hansson

<david Heinemeier Hansson>


ところが、彼らの会社、「37signals 」は、

彼ら自身が作り出した様々なWebツール、

中でも「Basecamp 」が評判となり、

今では世界中にユーザーが3万人以上にも

なっている。


さらに、彼らが発信するブログも評判となり、

読者との交流からまた新たなサービスを

誕生させたりもしている。


そんな成功した彼らが、

「起業してやろう」と思っている人たちへの

率直なアドバイス(従来とは違った視点から

ビジネス・チャンスを見つけて

成長させていったノウハウも含めて)が

評判になっている。


このブログ記事は、

そんな彼らの考え方を含めて

これまでに自分でビジネスを立ち上げようなどと

夢にすら見なかった人々や、

既に会社を立ち上げて成功させ

成長させている人たちとは明らかに違う人たち

のために書くブログ記事だ。


そう、これから「成功しよう」という意欲があり、

一歩踏み出そうと決意した人たちのための

ものだ。


当然、古い価値観の人が読めば、

「そんなバカな!」とか、

「それはたまたまうまくいったんだよ」とか、

「誰にも出来るわけじゃないよ」

といった反応を示すかもしれない。

いや、もしかして、怒りだすかもしれない。


そういう意味では、

この記事は「毒」になる可能性もある。

但し、大抵の「薬」に「副作用」があるように、

「毒」は使いようによっては「薬」になることを

忘れてはいけない。


あなたにとって、「毒」となるか、「薬」となるか、

読んで試してみるといい。



参考文献:『REWORK』

Rework/Jason Fried
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