What Do I Do Now?
(今、僕にできることって?) :2
海の中では、ヒョウアザラシやシャチが
不注意な鳥を捕えようと隠れているため、
ペンギンたちは水に跳び込むとき、
慎重にならざるを得ないのです。
いかなる不快な惨劇の映像を思い浮かべるまでもなく、
あなただって、実際のところ
シャチやヒョウアザラシに捕まりたい
とは思わないでしょう。
それで、
フレッドとアリスが海へ飛び込んだとき、
彼らは無意識に身構えました。
フレッドは、
氷山の融解によってできた亀裂や
悪化の兆しがはっきり見える場所を指し示しました。
アリスは、自分もこれらのサインは
どうやっても無視できないと驚きました。
フレッドは、続いて氷山の側壁にできた
大きなホールへ入っていったので、
アリスもフレッドの後を追っていきました。
幅2、3のメートルの水路でを通って、
彼らは氷の中心部まで深く泳いでいきました。
そして、とうとう水で満たされた
広々とした洞穴に到着したのです。
フレッドは、水面下で、
アリスは、自分が何を見ているかについて
その全てを理解しようと一生懸命観察しました。
しかし、彼女の専門はリーダーシップであり、
氷山の科学の専門家ではありませんでした。
フレッドは、困惑しているアリスを見たので、
海面まで上がってから
彼は彼女に説明を始めました。
「手短に話すと・・・。
氷山は、角氷とは違うんだ。
氷山は、その内部に水路とも言える、
亀裂が生じることがある。
その水路は、洞穴と呼ばれている
大きな気泡にまで繋がってしまうことがある。
氷が十分に溶けてくると、
中に生じた隙間にまで水が入ってしまうんだ。
そして、その水は、やがて水路や奥の洞穴にまで
押し寄せていくことになる。
寒い冬の間に、
幅が狭い水路に充満した水はすぐに凍結し、
洞穴内の水を閉じ込める。
しかし、気温がもっと下がると、
洞穴内の水も凍ってしまう。
液体が凍ると、体積が劇的に膨張するため、
氷山は、ばらばらに砕けてしまう可能性があるんだよ」
数分後、アリスは、
なぜこれほどまでにフレッドがひどく心配しているのかを
理解し始めていました。
「この問題の重大さは、いったい・・・」
(つづく)
参考文献:
- Our Iceberg is Melting: Changing and Succeeding.../John Kotter
- ¥1,451
- Amazon.co.jp
何てったって、
ペンギンが出てくるビジネス本だ!
読まなきゃ損々!
(イラストもたっぷり!表紙も素敵だ!)
今の日本の政治家には、情けないことに
諸外国の政治家のような「リーダーシップ」が
備わっていない。
政治家たちが、組織
(官公庁や天下り団体、地方の役所)を
変えられないこと程、国民にとって
不幸なことはないのだ。
(日本の政治家に、真のリーダーはいない!)
リーダーシップがあるかないかは、
普段はわからなくても、
非常時には誰の目にも明らかになる。
「Our Iceberg Is Melting」は、
文字通り、
「俺たちの氷山が溶けている」という意味だが、
「Our Nuclear reactor Is Melting」となれば、
「私たちの原子炉が溶けている」となる。
まさに、今の我々にとっての大きな課題だ。
この本を読めば(しかも楽しみながら)、
リーダーはどうあるべきかということが
よく分かるようになっている。
なお、日本語訳は
『カモメになったペンギン』というタイトルで
ダイヤモンド社から2007年に出版されたが、
タイトル同様中身も分かりづらい翻訳の上、
既に廃版となってしまい、古本でないと入手できない。
(個人的には、原著の方がデザインもイラストも好きだ。
アタッシュケースを持ったビジネスマン風の
リアルな感じのペンギンが特にいかしてる!)
- カモメになったペンギン/ジョン・P・コッター
- ¥1,260
- Amazon.co.jp
by ウルフペンギン