常識的には、次のようなことが言える。

AとBのどちらかならB、

BとCのどちらかならC、

ゆえに、

AとCのどちらかならCである。

(A<BandB<Cなら、A<Cである)


ところが、これが当てはまらないケースがある。


エヌ氏は、チョコレート好きだが

何でも好きというわけではない。

好きにも程度があるらしい。


そこで、エヌ氏に三つのチョコレートの中から

二つを選んで、そのどちらかが好きかと

尋ねてみた。


「AかBならBだね」


「BかCかというのならCだな」


ところが、


そんなエヌ氏に、

「では、AとCのどちらが好きか?」と尋ねると、

彼は迷うことなく、「もちろんAだよ」と言った。


これは、矛盾しているように思える。


しかし、エヌ氏の説明を聞くと、

誰もが「もっともだ」と納得できるものだった。


エヌ氏の説明というのは

一体どういうものだったのだろうか?