前回、「Web 2.0」で見落としがちな

大きな五つの限界というものを列挙した。


1.飽和


2.誤解


3.時間


4.相互作用


5.開放性


今回は、4.の「相互作用」ということについて述べる。



相互作用


この「相互作用」についての次の疑問は、

あなたが考えていることと相容れないかもしれない。


「Web 2.0」のゴールは、

新たな「相互作用を起こす形態」を構築することに

なっていないのではないか?


ここでは、「相互作用を起こす形態」を

人々が情報を求めて検索し、ネットワーク化し、

交換し合うために使う、

異なる環境やデバイスと定義したい。

(パソコンやネット上の各種サービスなどだ)


人々はインターネット上の別々の場所に集まって、

各々が他の人と異なる方法で相互に作用している。


しかし、「相互作用」のこれらの方法は、

人間同士の「直接的触れ合い」を減少させたことは

間違いない。


あなたは、毎日ちゃんと誰かに

電話を掛けているだろうか?

(以前より間違いなく「減った」はずだ)


あなたは、何かするべきことが生じてから、

e-メールを閉じていないだろうか?


あなたは、何か疑問が生じたら、すぐに

「ウィキペディア」や「ヤフー知恵袋」に

アクセスしていないだろうか?

(あの大学受験生のように・・・)


一旦、e-メールやフェイスブック、ミクシー、

インスタント・メッセージなどで

行き詰まるようになると、

あなたはものごとを分かりやすくしようとして、

あるいは早く知ろうとして、

新たな解決策を探し始めるに違いない。


そうなれば、あなたは

間違いなく苦い思いを経験するだろう。


恐らくあなたは

「ティッピング・ポイント(臨界点)」に達して、

それまで乗っていた船を捨てて、

別の何かにフォーカスするに違いない。


言い換えると、

実に多くのことがWeb上で溢れかえっており、

その結果、情報の混乱と正しい情報の

不足を引き起こすことになるということだ。


(つづく)


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人における「相互作用」とは、

お互いが影響し合うということだ。

情報のやりとりでもあるが、

そこには「信頼」がなければならない。


確かにインターネットが普及してから、

そして「Web 2.0」が広まってから、

遠くの人と繋がることが容易になった。


「Web 2.0」が、人と人が影響しあう

場所や手段(パソコンや携帯電話)を

提供してくれたのは間違いない。


しかし、だからといって

その繋がりは果たして「堅牢」だろうか?


多くの可能性を手に出来るようになったが、

果たして、正しい答えに辿り着けるように

なっただろうか?


一見すると、「Web 2.0」によって「相互作用」の機会も増えたが、

その分「堅牢」な「相互作用」は減ってきたのではないか?


そして、検索によって

瞬時に膨大な解答(らしきもの)を得られるようになった分、

今度は、その中から

正解を選ぶという手間が増えたのではないか?


あるいは、本当にそれが正解だという

確信も持てなくなったのではないだろうか?


「相互作用」の拡大による副作用だ。