幸福と平和の実現：３
あなたが注意深く花を見れば、
命の瑞々しさや美しさだけでなく、
そこに生ゴミからできた「堆肥」もあることに
気がつくはずです。
庭師には、この生ゴミを「堆肥」に変える
ノウハウがあり、この「堆肥」が
花を成長させるのです。
花と生ゴミは、両方とも「有機物」です。
花の実態を注意深く観察すれば、
そこに、花と生ゴミがあることに
あなたは気がつくはずです。
実は、花もいつかは生ゴミに変わります。
でも、そのことを恐れてはいけません。
あなたは、庭師なのです。
あなたの手で、種と生ゴミを
花に、野菜に、そして果物に変えるのです。
あなたは何一つとして捨てる必要はありません。
なぜなら、あなたはゴミを恐れないからです。
あなたの手は、ゴミを花に変えたり、
レタスやキュウリに変えたりできるのです。
同じことが、あなたの幸福と悲しみにも
言えることなのです。
悲しみ、恐れ、そして失意などは、
全てゴミにしか過ぎません。
それもゴミのほんの一部でしかないのです。
これらのゴミの一部は、実生活の一部でもあるため
私たちは、それらの実態を深く調べる必要があります。
あなたは、これらのゴミの一部を
花に変えることを学ぶことができるのです。
それらのゴミの中には、
有機的なあなたの愛もあれば、憎しみもあるのです。
だからこそ、あなたはゴミだからと言って
考えもせずに捨て去るべきではないのです。
あなたがしなければならないことは、
自分にとってのゴミを花に変えることを学ぶことなのです。
仏教の実践において、
私たちは、あらゆるものに精神的な形態を見ます。
例えば、同情、愛、恐れ、悲しみや絶望など、
これらは、事実上有機物なのです。
これらは、全て変化可能なものなのであり、
それゆえ私たちは何ら恐れる必要はありません。
ちょうど精神的な形態の有機的特質に対して
このように深い洞察をすることによって、
あなたはよりしっかりとし、さらにもっと穏やかで、
より平和になれるのです。
ただ微笑むだけで、
そして自分の呼吸に注意を払うだけで、
あなたはそれらのゴミを別のモノに
変え始めることができるのです。
<ティク・ナット・ハン>
（つづく）
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誰もが一度は思うことがある。
悲しみや痛みや恐れやあせりや、
憎しみや怒りや失敗もなく、
ただ愛と美と快楽と富と健康と賞賛に
満ち溢れた人生が送れたらと。
でも、それは、
肥料や水もなしで
花を咲かそうとしているようなものなのだ。
花がきれいに咲くためには、
水や肥料は欠かせない。
もしかして、あなたは
それを避けようとしてきたかもしれない。
今ある、悲しみや痛み、恐れ、あせり、憎しみ、怒り、失敗
といったものは全て、あなたが咲かせようとしている花の
大切な水や肥料なのだ。
あるがままに一旦受け止め、
そこから水や肥料を探し出そう！