前回、「Web 2.0」で見落としがちな

大きな五つの限界というものを列挙した。


1.飽和


2.誤解


3.時間


4.相互作用


5.開放性


今回は、1.の「飽和」ということについて述べる。



飽和


最も多くの注意を命じなければならない要因から始めよう。

それが「飽和」ということだ。

あえて言えば、それも「過剰飽和」だ。


問題は、誰でもが、もちろん彼らの3人目のいとこさえもが

「Web 2.0」という「バンドワゴン(楽隊車)」に乗っている

ということだ。

現実の社会と同じくらい、Webは「飽和」しているのだ!

この「飽和」こそが、法外な量の不必要な雑音を引き起こす。


キィー・コンセプト


「Web 2.0」の限界の鍵は、それが「飽和」するということだ。


例)

*あなたの祖母から電話があり、

「お友達が私の旅行について

もっと詳しく知りたいと言っているので、

私の代わりに「ブログ」を作って更新してくれない?」と依頼。


*8歳の子供が動画を「YouTube」に投稿。


*あなたの子供の誕生日の写真が公称1000万人という

アメブロのブロガーによって共有。


その結果、あなたは、

誰でもログオンしているので、これらのサイトには

多くの質の良いアクセスがあると考えるかもしれない。

ある意味、あなたは正しい。


しかし、起こりうる「トラフィック」は、

どれくらいを「目標」としていたのだろうか?

これは、あなたがこのブログ記事を通しての

「鍵」となる概念なのだ。

この目標とされた「トラフィック」こそ、

戦略的なマーケターが捜し求めている「強み」なのだ。


ブログでも、記事を読みもしないで、

機械的にペタするアメブロのブロガーも多い。

そうやって、自分のブログのアクセスを

増やそうとしているのだ。


もし、アメブロのブロガー全員がそうだったら、

このブログ自体、実にむなしい存在となる。

大事なのは、全体のアクセス数ではない。

記事を読み、「共感」してくれる読者の数なのだ。


結局のところ、「Web 2.0」の「鍵」は

最高の「インタラクション(相互作用)」を見つけるために、

サイトを掘り下げ、「繋ぐ」ことにあるのだ。


新しい人と出会ったり、取引先を探すには、

本名で登録する「Facebook」は

ネットワーク構築への優れた場所と言えるだろう。


しかし実際は、

あなたが特定の人々、または特定のグループに

接触するために「Facebook」を使う方法を知っている時だけ、

そして、

本名で登録することに躊躇(ちゅうちょ)しない時だけ

「Facebook」は強力なマーケティングツールとなるのだ。


(つづく)


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【トラフィック】



ネットワーク上を移動する音声や文書、画像などの

デジタルデータのこと。

ネットワーク上を移動するこれらのデータの

情報量のことをさすこともある。



実は、「Web 2.0」である「アメブロ」も、

「Web 2.0」としては失敗しているのだ。


当初の「アメブロ」の戦略はこうだ。


1.登録読者数を日本一にする。


2.そのためには、有名人であるタレントや歌手などに

トップページの無料オリジナル化というサービスで

ブログを立ち上げてもらうよう働きかける。


3.さらに、一般の利用者も個性を発揮出来るように

オリジナルのデザイン・パターンを無償で選べるようにし、

さらに凝ったものは有償で購入させるようにする。


4.こうやって、ブログの登録者が増えれば

その属性(女性か男性か、10代か20代か30代か、

都内在住か、など)に応じて、記事内に自動貼り付けする

広告を変更させるという効果的な手段をアピールして

広告収入を増やす。


5.企業や映画などのキャンペーン・タイアップとして

トップページのデザインを選択可能にすることで

さらに広告収入を増やす。


6.広告からの実売に応じて、アフィリエイト収入も増やす。


しかし、こららの仕掛けはほとんどが失敗した!


そんなアメブロを尻目に、どんどん売り上げを増やしていった

サイトがある。


「モバゲー」や「グリー」などの携帯電話でのゲームサイトだ。

これらは、「無料」をうたい文句に集客してゲームさせ、

ある一定以上のことをしようとすると、

嫌でも「アイテム」を購入しないと出来ない仕組みにして

売り上げを大幅に伸ばしたのだ。


そこで「アメブロ」も真似し出した。

その結果、「ブーシュカ」や「モグ」などが大ヒットし、

広告に頼らなくても簡単に売り上げが上がるようになったのだ。


そう、「Web 2.0」である「ブログ」に

ビジネスとしての限界が顕著に見えた例となった。


「アメブロ」は、明らかに軸足を「Web 3.0」へ移したのだ。