緊急事態である。




そんなことを思っている犬が1匹。


名前は気まぐれ。


自称誇り高い狼である。





足早に逃げ出したのはいいのだが、まるでこの世の終わりかと思えるほどの炎の雨が降ってきたのだ。






ガタガタブルブル←震える音





あまりの恐怖に思わず足を止めてしまったところで捕まえられてしまった。









そして、現在は風呂場である。


よって緊急事態だ。


我輩は風呂が嫌いなのだ。


よって逃亡をしようと思うのだが・・・





カリカリカリ←扉を引っかく音





開けられぬ。


我輩自慢の爪でもびくともしない。




「あ~、また逃げようとしてる~。」




黙れ、みすてぃあ。




「もう・・・わんわんいっしょにお風呂入ろうね~。」





そう言ってみすてぃあが扉を開ける。







逃亡のチャンス。


扉の隙間を狙い、走る、走る、走る。








ガシッ






「逃げちゃだめ~。」








運命とは無慈悲な物だ。







そして、恐怖の時間がやってきた。

















わお~ん←断末魔








終わり。

もふもふもふ←食べる音



食事中の犬が1匹。


名前は気まぐれ。


自称誇り高い狼である。



もふもふもふ




「おいしい~?わんわん~?」


召使みすてぃあが聞いてくる。


うむ、なかなか上出来だ。


「ご飯が終わったらいっしょにお風呂にはいろうね~。」







・・・何






気まぐれは逃げ出した。


「あっ!わんわんっ!?」


冗談ではないと逃げ出した。


気まぐれはお風呂が苦手なのである。





果たして気まぐれはお風呂に入れられてしまうのか!?








たぶん続く。

白い犬がいた。


名前は気まぐれ。


誇り高い狼である。





狼は誇り高いのである。


なので狼は自ら餌を取りには行かない。


食事は全て召使みすてぃあに用意させるのだ。


「わんわん~ご飯だよ~」


む、食事が出来たようである。


気まぐれは向かうことにした。










・・・たぶん、続く。