各県の原子力安全の取り組みを調べてみようと、検索したら、まず目に飛び込んできたのが、これ。

http://www.atom.pref.fukui.jp/

福井県 原子力安全対策
http://www.athome.tsuruga.fukui.jp/nuclear/information/faq_03/index.html

原子力情報 /原子力ビギナーズ /はじめての原子力Q&A

やあ!みなさんこんにちは。
わしは原子力のことならなんでもおまかせの「あっとほうむ博士」じゃ。
「原子力と聞いただけで難しい!と敬遠しがちではないじゃろうか?
そんなことを言わず、素朴な疑問をこのわしにぶつけていただきたい!
21世紀に生きるあなた自身がエネルギーや地球のことを真剣に考えることが大事なのじゃよ

http://www.athome.tsuruga.fukui.jp/nuclear/information/faq_03/pdf/09.pdf
Q:放射線や放射性物質で、人は被ばくするって聞くけど、大丈夫なのかな?
A:大量の放射線が人の体にあたる(被ばくする)と、細胞内のDNAに傷ができ、健康に影響があることが知られておるのじゃ。自然界やふだんの生活のなかでも、私たちはいろいろな放射線を受けているが、少ない量では健康に影響はないんじゃよ。

年間被ばく実効線量(ミリシーベルト)
7000-10,000:全身被ばく=>死亡
1000:全身被ばく=>悪心、嘔吐(10%の人)
200:全身被ばく=>これより低い放射線量では臨床症状が確認されていません
10:ブラジル・ガラパリ市街地の自然放射線(年間)
6.9:胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)
2.4:(世界平均)1人当たりの自然放射線(年間)
  1.26(空気中のラドンから)0.39(宇宙から)0.29(食物から)0.48(大地から)
0.4:国内自然放射線の(年間)(県別平均値のの最大) *この差ってどんな意味?
0.05:軽水型原子力発電所周辺の線量目標値(年間)
0.001以下:原子力発電所からの線量(評価値)(年間)

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ブラジル・ガラパリのことが気になってので、調べてみました。現在は、4mシーベルト(年間)前後のようです。
http://www.taishitsu.or.jp/genshiryoku/gen-1/1-ko-shizen-2.html
#2.4 ブラジル・ガラパリの高自然放射線地域

1998年9月にガラパリで線量測定調査を行いました。NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータ(ALOKA TCS-166)により測定を行いましたが、海岸付近など特異な地点を除くとガラパリおよびメアイペの路上における線量率は0.1~0.4μGy/hであり、屋内についても最高0.4μGy/hでした。UNSCEARの報告によりますと1960年代の測定値1~2μGy/hに比べてかなり低く、道路の舗装化並びに建築材料と構造の変化など、都市化に伴ってガラパリ周辺の自然放射線環境が変化したことが考えられます。
さて、現在は0.4μGy/h、だとして年間シーベルトに換算すると

0.4μGy/hx24hx365 = 3,504μGy = 3.5mGy = 3.5mSv

シーベルトの値=グレイ(Gy)の値x放射線荷重係数(*1) x 組織荷重係数(*2)

*1 放射線の種類による影響の違いを表す(ベータ線、ガンマ線が1、アルファ線が20)
*2 臓器などの組織別の影響の受けやすさを表す(肺、胃、骨髄などが0.12、食道、甲状腺、肝臓、乳房などが0.05、皮膚、骨の表面が0.01。1グレイのガンマ線やエックス線が全身に均等に吸収された場合、実効線量は1シーベルトになる)

ソース
①http://www.aomori-hb.jp/ahb2_08_h07_term.html
②http://www.ies.or.jp/publicity_j/data/s19.pdf
注:上記ソースは偶々検索ですぐ見つかったもの。

さらにしつこくグァラパリのことを調べてみましょう。WIKIで、英語版では高放射線量の健康影響のことを書いていませんが、日本語版では、触れています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%91%E3%83%AA#.E9.AB.98.E8.87.AA.E7.84.B6.E6.94.BE.E5.B0.84.E7.B7.9A
高自然放射線
また、グァラパリは世界でも有数の自然放射線量の地域としても知られる[2]。グァラパリの周辺地域には放射性物質を含むモナザイトが多く埋蔵されており、このモナザイトが砂として海岸に堆積した為とされている[3]。その線量は年間0.9~28mGyで平均で5.5mGyである[4]。地域の有意な健康への影響は確認出来なかった等の調査報告もあり、日本においては電力会社が自然放射線量及び原子力発電所の安全性を説明する場合において、この都市を事例の一つに用いる場合もあった[5]が、一方で、内部被曝によるものと思われる末梢血リンパ球の染色体異常[4]や、対照地域に比べて癌の死亡率が高いとする調査報告[6]もある。

この調査報告[6]を見てみましょう。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0531513104016863
Pattern of cancer mortality in some Brazilian HBRAs
ブラジルの高バックグラウンド放射線地域における癌死亡率のパターン

*HBRA:High Background Radiation Area(高バックグラウンド放射線地域)

Abstract 抜粋

Among residents of Brazilian High Background radiation Areas, there is great concern about radiation-related health effects and there is also a common certitude that cancer incidence is higher in those areas than in other Brazilian areas with normal background radiation. This paper aims to present an overview of Brazilian High Background Radiation Areas and evaluate whether cancer mortality among residents from Poços de Caldas, Araxá, and Guarapari is higher than would be expected when applying mortality rate of their respective States. Results show that cancer mortality from the Brazilian HBRAs, Poços de Caldas, and Guarapari is higher than would be expected for their respective reference population. On the other hand, cancer mortality for the Araxá population is lower than would be expected.
ブラジルの高バックグラウンド放射線地域の住民の中で、放射線関連の健康影響について大きな懸念があり、癌の発症率が通常のバックグラウンド放射線を持つ他のブラジルの地域よりも高バックグラウンド放射線地域よりも高いという共通認識もある。本稿は、①ブラジルの高バックグラウンド放射線地域の概要を提示すること、及び②ポソス·デ·カルダス、ラクサ、及びガラパリから住民のがん死亡率が、それぞれの国の死亡率を適用する際に予想されるよりも高いかどうかを評価すること、を目的とする。結果は、ブラジルHBRA、ポソス·デ·カルダス、とガラパリから癌死亡率は、それぞれの基準集団で予想されるよりも高いことを示している。一方、ラクサの集団のがん死亡率は、予想されるよりも低くなっている。