三陸の牡蠣の放射能濃度の推移を追跡したいところだが、いかんせん養殖場が壊滅してしまっているので、過去のデータは絶無に近い。
そこで、今回は、宮城産の他県を回遊しない魚介類のセシウム放射能濃度の推移を追跡。
利用するデータサイトは:食品の放射能検査データ
*(財)食品流通構造改善促進機構がボランティアで運用している食品の放射能情報検索サイトで、厚労省公表の食品の放射性物質検査データに基づいている。
まずは次の一例(マガレイ)=>18日にカツオ及びホッキガイを追加=>21日にヒラメを追加
マガレイ(底魚(砂地))
・福島県産のセシウム濃度が急減し、茨城産(●)と同様なレベルに。
・宮城県産(●印)は極めて低い値で推移しています。
ヒラメ(底魚(砂地))
全国のデータで、福島県が高い値を示し、最近でも500Bq/kg(暫定規制値)を超えるものがあります。
茨城県産だけを取り出すと、低い数値ながら、漸増傾向にあります。
宮城県だけ取り出すと、採取点数が少なく、まだ傾向は掴みにくい状況ですが、100Bq/kg以内です。
カツオ(回遊魚(大型))
今朝(11月18日)、テレビ番組で気仙沼の戻りカツオが話題になったので、回遊魚なるもこれだけは追加。
・カツオは基本的に、南方から北へ回遊して千葉、福島、宮城沖合いまで達し、秋には岩手の手前でUターンして南下し、このUターン組みが三陸沖合いで水揚げされるのが戻りカツオ。
・グラフの真中ぐらいが千葉あたりの漁獲、後半はUターンした戻りカツオの宮城あたりの漁獲のようです。
・放射能濃度の高い福島・茨城沖ははやばやと通過したようで、放射線濃度が抑えられた形です。
・4月に一点30ベクレル/kgを超えているのは、千葉県で水揚げされたものですが、仲間と離れて福島沖をさまよって戻ってきたのか??
ホッキガイ(貝類(砂地))
・福島県(24)茨城県(6)北海道(2)ですが、茨城県の値(黒字)は極めて低い数字となっており、北海道は0.28Bq/kgの検出限界でも不検出です。
・残念ながら、宮城県産は報告されていません
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なお、全般的な魚介類の放射線濃度の傾向分析は、既出のコンタンさんのブログがきめ細かくされているので、ぜひそちらをごらんください。 本ブログでは、三陸、とりわけ宮城県の三陸地域の牡蠣にフォーカスして自身の理解を兼ねてデータ追跡しています。
<コンタンさんの最新分析>
2011年11月 4日 (金)
水産物の放射能濃度のグラフ(その3) 10/31公表分まで
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/1031-3231.html
浮魚(幼魚) コウナゴ、 シラス
底魚(砂地) ヒラメ、 カレイ、 マコガレイ、 シタビラメ、 コモンカスベ、 ホウボウ・カナガシラ・コチ・ニベ・シログチ、 フグ、 アナゴ、 マダイ・チダイ・クロダイ、 マトウダイ・カガミダイ
底魚(岩礁) アイナメ
底魚(藻場) メバル・カサゴ・ソイ
底魚(深場) アンコウ、 キンメダイ・キチジ・アカムツ
回遊魚(小型~中型) カタクチイワシ、 マイワシ、 サバ、 アジ、 サンマ
回遊魚(大型) スズキ、 ブリ・カンパチ、 サケ、 メジマグロ、 マグロ・カツオ
回遊魚(深場) タラ
貝類(岩礁) アワビ、 カキ・イガイ、 サザエ・ツブ貝
貝類(砂地) アサリ・ハマグリ、 ホッキガイ
頭足類 イカ、 タコ
甲殻類 エビ・カニ
棘皮動物 ウニ、 ナマコ・ヒトデ
の魚介分類で、傾向を読んでいます。