阪神・淡路大震災のケースに比べて、東日本大震災での被災規模が大きいものの、ボランティア人数の規模が3分の1だという。


毎日新聞  2011年6月10日 15時00分

東日本大震災:ボランティアは阪神の3分の1、38万人


ここに述べられたボランティア数の初動の低い原因は、確かにその通りだと思う。


一方で、2つ気になる点がある。


1.阪神・大震災のケースのボランティア数はどのように割り出したのだろうか?


おそらく、兵庫県県民生活部生活文化局生活創造課の阪神・淡路大震災一般ボランティア活動者数推計
(pdf)を引用してのことではないだろうか?


また、さらに、その内訳は、どうだったのだろう? 瓦礫撤去、支援物資、炊き出し、ケア、避難所支援、仮設住宅支援、等々。


2.一方で、東日本大震災のボランティア数は、行政の社会福祉が運営する災害ボランティアセンターに登録したボランティア数の公表値で、全社協 東日本大震災福祉対策本部 ニュース36号ボランティア数の推移について 、などを引用しているに過ぎない点が気にかかる。


この数字は何をカバーしているというのだろうか?


1) 行政の災害ボランティアセンターの大半が一時期県外からのボランティア受入れ拒否をしていた間、そのセンターの中央から遠い被災地の多くは行政からの支援を得られず、このため様々な個人又は団体のボランティアが草の根的に苦しんでいる現場に入り込んでいっている。 それが当然反映されていない。


2) 物資支援の面で言えば、支援物資を県に届けても捌ききれず、次に市に送るようになると又同様に捌ききれず滞留し、例え捌いても中央近辺に優先的に配布されという状況が続いたのではないだろうか。


で、結局、行政を通さない、現在は、物資が欲しい現場と支援したい側が直接やりとりする別な大きな世界が存在している。


3) そもそも、災害ボランティアセンターとは、一体なんなのだろうか。 ほんとうに、地域の被災者を援けたい人達が集まっているのだろうか? 役所が単に名前を変えただけのものなのだろうか?


東日本大震災の被災地に関心のなくなった大半の日本人とは関係なく、現地の被災者と有意のほんとのボランティアとで、別な世界ができつつあると思うし、創るべきだと思う。


だから、行政の数字を引用することに、何の意味があるのか、良く分からない。


参考情報メモ:


2011年06月29日 震災ボランティア ボランティア人数推移 [東日本大震災と阪神淡路大震災比較]

宮城県内(主に沿岸部)の市区町村災害ボランティアセンターにおけるボランティア活動数(延人数)

グラフで見る大震災(ボランティア参加者数:6月)

知恵袋におけるボランティア数に関する問答