馬鹿正直な人の独白 -2ページ目

馬鹿正直な人の独白

点と点を線にして昇華する処

 いつの時代も社会において個として抗い難い潮流がそこに在るのは、周知の事実である。しかし、その流れは個人の意思を反映した協調なのか、あるいは特定の権益を狙う少数による策略なのか、また、結果として誰に利得が生じるのかは、個人として入手できる情報に限度があり、不明瞭である。

 特にそれが策略である場合、他人の意思の介在を疑う事なく、利得を期待する誰かによって定義付けられた物事を額面通りに受け取り、情報の真贋を気にする事なく、漫然と目前の事実を受け入れ、それを真実としている人は、本来得られるべきその人自身の利得を逸してしまう。その人が最終的に行き着く先、それは不幸である。甘受といった認識さえ無い人に対して、他人が扇動する事は容易であり、強く危機感を覚える。

 本来、社会は個々の協調に立脚し、そこで生じた情報や利得は公平性を担保したものであるべきだが、個人の視点で社会を見た場合、非理想的な現実を認識する以上、日常的に我々が社会に対して懐疑心を否定せず、正常な判断力を持てば、他人の意思に惑わされるリスクを回避できる状況に至る可能性が高くなるのではないだろうか。