僕は大学からキーボードを弾き始めましたが(それまではピアノ一筋でした)、どうもキーボードって楽器が苦手なんですよね。なぜって僕には変な性癖があるみたいでつまりこういうことなんですよ。
「リアリティのないことはやりたくない」
これが全てです。いまのキーボードって全然リアリティがないんです。
世の中のキーボーディストってキーボードで生ピアノの音を出したりするけど、そんなの全然リアリティがないと思いませんか?キーボードで生楽器の音を出したり、鍵盤楽器以外の音を出したりするのって便利かもしれないけど、どうしても好きになれないんです。
エレキベースを持った人がベースシンセでコントラバスの音を出してたら変な感じがしませんか?エレキギターからブラスの音が聞こえてきたら変な気がしませんか?
エレクトリックな楽器にはエレクトリックの、アコースティックな楽器にはアコースティックの良さがあると思うんです。昨今のキーボードはエレクトリックの良さを全然引き出せていない。それで中途半端にアコースティックの物まねをしている。
エレクトリックギターはアンプの歪みと自分のエフェクターで音づくりをします。全てのパラメーターはリアルタイムで変更可能で、ちょっとワウかけてみたり、クリーンからドライブにしてみたり、ノイズを入れてシュワシュワさせたり、本当に自由自在です。それでほとんどどんな音楽にも適応可能なんだけど、どんな状況でもエレクトリックギターとしてのアイデンティティを失っていない。
今のキーボードはこういう表現方法ができる作りになっていない。リアルタイムでエフェクトの変更なんて至難の業です。ものすごく緻密に計画しておかないとできない。すべてデジタルで画面の中で設定するからです。しかし演奏中にそんなことをやっている暇はない。だから事前に全部音色を作っておいて演奏中にボタン一つで変更ということになる。だけどこの方法だと音色のアイデンティティが変わってしまうんです。その場の雰囲気でその場の思いつきで自己表現として連続的に音色を変化させていくということができない。ここもリアリティが欠けているところです。
だけど僕たちキーボーディストは表現しなくてはいけないのです。ギタリストに負けているわけにはいかない。
そこでキーボードで戦っていく方法をこのブログで考察していきたいと思います。
まずはキーボードでどんな音色が出せるだろうか?ということを考えてみます。僕的にアコースティック楽器と鍵盤楽器でないものはキーボードで演奏しないということは譲れないので(笑)、ここらへんの音色が上がってくるかと思います。
・エレクトリックピアノ
・(エレクトリック)オルガン
・クラビネット
・シンセサイザー
全てエレクトリックな鍵盤楽器です。シンセサイザーはさらに次のように分けることができそうです。
・シンセリード
・シンセパッド
・シンセストリングス
・シンセブラス
これらの音色を使ってあらゆる状況に対応していく方法を考察していきたいと思います。
とりあえずまずはエレクトリックピアノからです。
次回に乞うご期待!
木部祐士(Key)