湯治という名の住み込みバイトを続けて約7年~8年。これまで23回の湯治を経験することが出来た。1泊2日の単発から長くて4週間、主に年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の夏休みシーズン、1週間から10日程度温泉のある旅館やホテルに滞在して温泉三昧の合間に仕事をして楽しく過ごしてきた。

 

 この度、この湯治生活に一区切りをつけることになった。奇跡的にも私は湯治場で知り合った人とご縁に恵まれ結婚した。とある湯治場で私たちは出会い、お互い旅好きで日本各地を旅行したり働いたりと価値観が近いこともあり、パートナーとして人生を共にすることとなった。

 

 北海道育ちの私が今後は西日本で暮らすことになる。時期をみてまた湯治を再開できたら良いなと思っている。今まではなかなか遠征が難しかった西日本の温泉を中心にまた湯治をしたい反面、逆輸入で北海道に湯治で行けば交通費も宿泊費もかからずに地元に帰ることもできるとたくらんでいる。

 

 今までの湯治生活では楽しい思い出が沢山出来た。温泉に入りながら非日常生活を味わって、旅行も楽しみ、宿泊費食費がかからない上に交通費とお給料がもらえる。毎日温泉に入って身体が整い、極楽気分を味わえる。体が動くうちは色々な地域の温泉に行ってみたい。

 

 ありがたいことに、湯治で知り合った人たちにお誘いを受けて既に何カ所かの温泉に二人で旅行するプランもあり、純粋な旅行として温泉を味わいに行くのが楽しみだ。そして、地元北海道を離れる前に北海道内の温泉を旅するプランもある。

 

 また湯治を再開した時には湯治録の続編としてその滞在記録を綴っていきたい。そして、湯治を愛する心はこれからもお湯が沸く限りは続くと思っている。

 

 2018年から始めた湯巡り。

 湯巡り記録をデータで振り返る第二段。全23回の湯治を振り返る。リピートした湯治場1湯、温泉無しの滞在1カ所も含めるため、実際に味わったお湯は21湯になる。
参考:データで振り返る湯治(2022年1月現在のデータ)

【北海道vs道外】
 道内 9湯 
(前回:7湯)
 道外 14湯 (前回:5湯)
 以前は北海道のお湯の方が多かったが、回数を重ねる毎に道外に足を運ぶことが増えた。道外の湯治場を選ぶ際には交通費を考える。1万円〜3万円の支給が相場で、出来るだけ支給範囲内で収まるお宿を選ぶ。道外遠征の場合は、前後に余裕を持って近隣エリアを旅行することも出来るのでありがたい。

【平均湯治日数】
 10.2日間
 (前回:9.2日間)
 日数は1週間から10日前後が理想。3週間以上の湯治も3回ほど経験した。繁忙期要員の短期雇用のため、延長戦は無し。

【湯治の時期】
 年末年始 6回
 (前回3回)
 ゴールデンウィーク 7回 (前回3回)
 お盆 4回 (前回3回)
 その他の時期 6回 (前回3回)
 年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の3大繁忙期に求人が多いのは変わらず。それ以外には、3連休やイベント時期などにも短期案件が出るのでタイミングが合えば応募する。

【寮】
 社員寮 9回
 (前回:7回)
 客室 15回 (前回:6回)
 客室利用から社員寮に移動した湯治場が1カ所あり、合計24室になった。客室利用の中には元客室も含まれる。客室利用の場合は館内で移動が楽で快適なのと、実際にお宿に宿泊している気分を味わえるので出来る限りは客室寮を選ぶようになった。社員寮はワンルームマンションタイプの完全個室がありがたい。

 館内寮以外は徒歩5分以内で完全個室の部屋を選ぶようにしている。毎日温泉に入って帰ることを考えると近場が理想。築年数も浅い寮が良い。今でも昭和時代の寮を使っているお宿もある。


【時給】
 平均時給 1152円
 (前回:987円)
 道内平均 1015円 (前回:934円)
 道外平均 1142円 (前回:1060円)
 年々時給は上がっている。近年では1000円を切る時給はほぼ絶滅した。それでも、お給料目的ではなく湯治体験が出来れば良いという理由から時給にこだわらず案件を探すため比較的低めの金額。

 

 最高値は時給1500円、これは意外にも平均時給が低めな北海道での時給。近年でも熱海や箱根の比較的人材が集まりやすい地域では最低時給に近いこともある。その分交通費が高めで旅行ついでに湯治に行くにはとてもありがたい。北海道からの遠征となると交通費が高くなるので不採用になることもある。高い交通費を払って遠方から人材を呼ぶよりも近場で交通費のかからない人材を確保したいと考えるのは何処のお宿も同じ。交通費、食費、光熱費、滞在に一切お金がかからないだけでありがたいので時給は低めでも気にならない。

【同僚】
 平均 0.9名
 (前回:0.8名)
 同じ派遣会社を利用して働いた同僚の人数。基本的には一人の場所が多い。大規模なお宿になると複数の派遣会社から働き手を受け入れている。小規模なお宿の場合は自分一人が多い。

 

 既に同じ派遣会社から同じ仕事をする人が働いている場合は色々と教えてもらえてとても助かる。同じ湯治場で一緒に働いてその後も仲良くご縁が続く人も居れば、その場限りの人も居る。基本的には一人で湯治を楽しみたいので同僚が居ても居なくてもその時その時で楽しめる。

 

 湯治中に読んだ本の第二段。本は地元の図書館で借りる。2週間~4週間の貸出期間があり、その時の湯治日数に合わせて準備する。2〜3日で1冊のペースで持参することが多く、あまり持参しすぎると荷物が重くなることもあるため最大でも5冊に抑える。

 湯治先にゆかりのある本を選ぶこともあると地名がわかったり、地域性を身近に感じて楽しめる。

 湯治と本(参考)

 

【湯治中読んだ本】 ☆=個人的に好きな本

 

・リベンジ・ホテル 江上剛 破綻寸前の老舗ホテルをゆとり世代の新入社員が盛り返す。
・教団X 中村文則 カルト教団が巻き起こす恐ろしい事件。
・生きている理由 松岡圭祐 男装の麗人、川島芳子が男装に至るまでの少女時代。
・王様のトリック 吉村達也 大雪に閉ざされた山奥で起こる連続殺人事件。
・敗者の告白 深木章子 妻と息子の死は殺人か事故か、事件関係者たちの証言。
・風に舞いあがるビニールシート 森絵都 直木賞受賞の短編集。
・ミステリー・アリーナ 深水黎一郎 殺人事件と謎解き娯楽番組を合わせたミステリー。
・魔力の胎動 東野圭吾 「ラプラスの魔女」の前日譚。
☆・レゾンデートル 知念 実希人 末期癌と連続殺人犯に悩みながら犯人に迫る。
・天使の眠り 岸田 るり子 かつての恋人は別人だった。母が娘を守るミステリー
・殺人鬼フジコの衝動 真梨 幸子 子供の頃からの殺人鬼、フジコの人生を描く
・木曜組曲 恩田 陸 小説家時子の死は自殺か、他殺か。関わった女たちの告白
・刑事の慟哭 下村 敦史 無関係に見えて実は連続殺人だった謎に迫る刑事の話
・白衣の噓 長岡 弘樹 医療現場での様々な謎に迫る短編集
・完全犯罪の使者 森村誠一 不倫相手が殺された謎に迫るミステリー
・四つの謎 安生正『ダイヤモンドダスト』 / 乾緑郎『黒いパンテル』 / 海堂尊『カシオペアのエンドロール』 / 中山七里『残されたセンリツ』
・標的 福田和代 VIP専門の特殊警備隊で働く元ボクサーの長編ミステリー。
・雪が降る 藤原伊織 それぞれの訳あり人生を描く6篇の短編集。
・脇坂副署長の長い一日 真保裕一 様々な事件に振り回される警察署の1日。
・スカラムーシュ・ムーン 海堂尊 ワクチン戦争勃発の危機。
・バッグをザックに持ち替えて 唯川恵 ご本人の登山にまつわるエッセイ集。
・半沢直樹4 銀翼のイカロス 池井戸潤 航空会社再建を目指すドラマ原作。
・殺人行おくのほそ道 (上・下)   松本清張 おくのほそ道に関わる連続殺人事件。
・希望の糸 東野圭吾 家族にまつわる殺人事件と真実。
☆・悲素 (上・下)  帚木 蓬生 和歌山ヒ素カレー事件に迫る医師。
・私の命はあなたの命より軽い 近藤史恵 出産を控え戻った実家に起きていた真実。
・廃墟のとき 明野照葉 人生に疲れた女性が自殺をするまでに計画した10か月間。
☆・彼女が最後に見たものは   まさきとしか 一人の女性の死を巡るミステリー。
・混声の森 (上・下)  松本清張 学校経営をめぐる男たちの人間ドラマ。
・味覚に関する短編アンソロジー。全14話
・雪国にて 北海道・東北をテーマにした短編集。全6話。
・神の値段 一色さゆり 芸術作品を巡る殺人事件。アートサスペンス。
・恋のゴンドラ 東野圭吾 ゲレンデが舞台の男女の愛憎劇。
☆・死にゆく者の祈り 中山七里 死刑囚と教誨師の友情と謎と真犯人に迫るサスペンス。
・そして誰も死ななかった 白井智之 5人の作家が孤島で死体となる謎解き。
・星々たち 桜木紫乃 母娘3世代の女性たちの人生と彼女たちに関わった男たち。
 

 

【湯治日記】

9日目
後半戦が始まる。朝風呂。朝食業務は暇で、客室の浴衣とバスタオルの準備。後半戦は時短になり、中抜け時間がたっぷり確保できる。ゆっくり温泉に入り読書がはかどる。温泉に毎日入っても肌がカサつかずすべすべ。夜の部は人員が豊富でやや暇だった。

10日目
朝風呂。朝食業務はかなり余裕がある。8:30には朝食業務が終わったので2回目の温泉でゆっくり過ごす。毎日熱中症警戒アラートが出ているが、涼しい部屋でのんびり過ごすことが出来て快適な日々。後半戦はかなり読書が進む。

11日目
朝風呂。朝食業務は相変わらずゆるめ。中抜け時間はゆっくり温泉、体が整い幸せな毎日。夕食準備がすぐに終わったのでフロント手伝いでお客様のお出迎え。仕事に慣れると時間を持て余すことが増えてきた。夕食業務はまぁまぁ忙し目であっという間に終わった。

12日目
朝風呂。朝食業務はゆるい。フロントでお見送りをしてから客室の掃除機掛けで汗をかく。中抜け時間が長くてゆっくり温泉と読書を味わえてありがたい。楽しい夏休みを過ごしていることに感謝。夕食業務はゆとりがあってあっさり終わる。

13日目
お仕事最終日。朝風呂。朝食業務後は初めてお宿の周りを少し散歩した。9時過ぎなのに暑くて汗をかく。部屋で読書をしてから温泉。30分位露天風呂でのんびりと過ごす。夜の業務も無事に終わり。夜の温泉も長めにゆっくりと入った。

14日目
出所。朝の温泉を長めに味わい、部屋の掃除をして荷物をまとめる。最後にお宿からお土産のお菓子を頂く。無事に楽しく湯治が出来て感謝。お宿の送迎バスで駅まで送ってもらい山梨を後にする。


【読んだ本】
・3歳で姿を消した娘とその家族。22年後の真実とは。

・残像 伊岡瞬 浪人生と奇妙な共同生活を送る女性たちとの衝撃サスペンス。
・殺人者 望月諒子 ルポライターが連続殺人の背景に隠された真実に迫る。
・叫び 矢口敦子 失踪した塾講師を追う、切ない叫びのミステリー。
・プラージュ 誉田哲也 訳ありな人々が集まるシェアハウスの物語。

 

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【湯治日記】

1日目
移動日。お昼はほうとうを食べて、お宿の送迎で移動。夕方から夕食準備と夕食のサービス。教えてくれる人が親切で安心。仕事終わりに温泉。ぬるめの露天風呂を手短に味わい早めに寝る。

2日目
朝風呂が気持ちよい。朝食業務を終えて短めの休憩時間に朝の賄いを済ませる。喫茶コーナーでコーヒー提供と玄関でお見送り業務。昼間の中抜け時間でゆっくりと温泉に入る。夕食準備と夕食業務は人員が多めで余裕がある。夜もゆっくりと温泉に入る。

3日目
朝風呂後に朝食準備。朝の業務はシンプルで楽。客室清掃の手伝いはゆるやかだった。昼間はゆっくりと温泉。2日間の休日に向けて友人と旅の調べ物など準備を進める。夕食業務は忙しいが人員が豊富で、少しずつ慣れてきた。夜も温泉。

4日目
朝風呂後朝食業務。朝の賄いは朝食キャンセルが発生したためお客様と同じメニューを頂く。客室清掃のお手伝い。お昼の温泉は日々お肌がすべすべになってきているのを実感。夕食業務は慣れてきた。夜はゆっくり温泉で一日の疲れを取る。

5日目
朝風呂。日々の睡眠がイマイチなのが難点だが体に疲れは無く元気。大きな桃を一つもらい嬉しい。昼の温泉は誰も居なくて独占してのんびり。午後は読書。夜の部は動き回って汗をたくさんかいた。夜も温泉独占でゆっくりできた。

6日目
朝風呂。朝食業務は余裕があり。お客様の見送り業務後は休憩。今日も大きな桃をもらった。久しぶりに中抜け時間が長く取れたので桃を食べて、温泉にゆっくり入る。夕食業務はお客様が少なく早めに終了。前半戦無事に終わり安心した。

7日目
休み。朝風呂に入って部屋でくつろぐ。お宿の送迎バスで駅まで行き、石和温泉に向かう。友人と合流して、ほうとう、ワイナリー、足湯、宿泊先のホテルも快適で岩盤浴もして汗を流す。

8日目
休み。駅の無料レンタサイクルを利用して信玄餅の工場見学、源泉足湯、桃ジュース、シャトレーゼのアップルパイとコーヒーを飲んで解散。楽しい2日間だった。お宿に戻ってゆっくり温泉に入り、部屋で読書。