10月14日時点でのMリーグ(プロ麻雀リーグ)の成績です。

 

1位 +414.6 ABEMAS (10/80)

2位 +150.0 ドリブンズ (8/80)

3位 +39.5 Pirates(12/80)

4位 ▲6.1 フェニックス (6/80)

5位 ▲65.1 風林火山 (8/80)

6位 ▲177.3 雷電 (8/80)

7位 ▲355.6 麻雀格闘倶楽部(12/80)

 

各チームが全80試合中10試合前後を消化しました。10試合前後の消化にして既にかなりの得点差がついています。まだ序盤だから下位のチームもこれからだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、序盤だとしてもこれだけの得点差がつくと6位、7位あたりのチームは跳ね返すのは容易ではありません。

 

例を挙げますと、1位のABEMASと7位の麻雀格闘倶楽部の得点差は約770p差です。1試合で50000点のトップを取ると+70pですから、ABEMASが±0pで推移した場合に麻雀格闘倶楽部は50000点トップを11試合取らないと追い付けない、ということです。弱いから最下位にいるのに、マイナスを増やすことなく11試合分のトップ差を跳ね返すなんて残り70試合で出来るのかしらって感じですよね。まあでもそんな大差が実際に10試合程度の消化時点でついているのですから、もう優勝は全然無理ってことではないです。

 

そしてMリーグのシステムとして上位4チームがクライマックスシリーズに進出できるので、そこを目標とするのなら麻雀格闘倶楽部にしたって絶対優勝しなければならないということはないわけです。そうなんですが、俺はそこはMリーグのシステムの悪いところだなと思っています。以前の記事でも書きましたけれど、Mリーグはオリンピックでの種目化を目指すような健全なスポーツ的コンテンツ、団体競技の面白さを取り入れたものとして立ち上げられたはずです。例えばプロ野球なら、10試合や20試合を消化した時点で優勝はもう捨てましたなんて言う監督はいないですよね。最下位のチームでも全試合の半分くらいまでは優勝を目指して戦ってゆきます。ですがMリーグでは僅か10試合消化時点で既に下位チームにクライマックスシリーズ進出だけを焦点とした動きが見え隠れし始めています。端的に言うとABEMASはもう走らせといていいやという戦略性です。この傾向が広がれば広がるほどABEMASの存在は消えてゆき、やがて2位のチームも確定し始めれば、そのチームも徐々にリーグ戦の中で空気化してゆきます。この現象は個人リーグ戦であるRTDリーグのほうで既に起こっています。最終的には優勝者はガン無視で、4位に滑り込めるかだけが焦点となって予選が繰り広げられます。RTDリーグは8人で行われますけれど、1~4位の人同士の対戦よりも5~8位の人の対戦のほうが面白いという。RTDリーグなら別にそれでもいいかなとは思うんですね。スポーツだとかオリンピックだとか言っているわけでもないし。

 

でもMリーグでまでRTDリーグと同じことをやっても仕方がないじゃないですか。名ばかりの団体戦で中身は個人戦と同じという。優勝もさっさと目指さなくなっちゃうしというのでは麻雀の持つ負のイメージなんて覆せませんし、後半戦はたぶん下位チーム同士の争いのほうが面白くなってゆくでしょう。Mリーグの発展のためにはもっと優勝自体の価値を高めてゆかねばならないと、俺は思います。

 

ちなみに麻雀の持つ負のイメージも最近では随分薄まってきていると思っている人も多いかと思いますが、それは麻雀に興味のある人たちだけの間での感覚で、麻雀をしない人たちから見れば今だに麻雀は「ヤクザさん達がやるコワイもの」ですよ。麻雀のイメージを変えるんだとなれば、そちら側の人たちの感覚に合わせてゆかねばダメです。優勝に価値はなくて4位になれればいいんだというリーグ戦では感動なんてしてもらえません。真摯に頂点を極めようという姿勢は大切なんです。

 

そんな気持ちから、先日の記事で茅森選手の選択に苦言を呈しました。って、この話題はもうさすがにいいかあ。茅森選手ごめんね。