麻雀プロリーグ・Mリーグが開幕してから10日が経過しました。
出だし好調なチームもあれば、不調なチームもある、という様相です。
だだ、俺が今回のMリーグの立ち上げに際して注目しているのは単純に勝った負けたの結果ではなく、MリーグがMリーグとして何を表現出来るかという点です。そういう点で、10月9日最終戦の茅森早苗選手のオーラスでの和了りは俺の価値観から言えば最悪でした。
南4局3本場供託2千点
1位大井選手を2位朝倉選手(親番)が猛烈に追い上げ点差は5300点。場況を込めれば実質2400点差です。3位の茅森選手と4位佐々木選手は既にそれぞれの順位が確定していると言ってもいいほど孤立した点数状況にありました。大井選手の所属する渋谷ABEMASはここまでトップ独走の一人勝ちと言ってもいい状況。如何にリーグ戦序盤といえども、優勝を狙うのであればこれ以上他チームは点差を離されたくはない。
そういった状況の中で、茅森選手は早々に平和ドラ1の3900点のリーチをかけ、3位確定の和了りで終了としました。渋谷ABEMASにとっては棚ぼたに近いトップで、更に独走状態は磐石のものとなりました。
茅森選手の和了りが、戦略的に絶対に間違っているということはありません。何も優勝を狙わなくても、ひとつでも上の順位、少しでもマイナスを減らすという目標で打っているのであればあれで良いのでしょう。ただ、例えばプロ野球で、開幕10戦を経過した時点で最下位脱出を目標として優勝はとりあえず捨てるような戦術を立てるチームを応援します?色んな見方をしようと思えば俺もいくらでも出来ますが、重要なのは観ていた俺はその和了りにひどくがっかりしたという点であり、他にも同じ感覚を覚えられたファンはいらっしゃったでしょう。伝わるものがありませんでした。
Mリーグとして何を表現出来るのか。単なるラス抜け、チームとして最初からギリギリの上位4チーム入りを狙う麻雀がしたいのなら、それはRTDリーグでやってくれって話ですよ。AbemaTVの麻雀チャンネルにはMリーグの他にRTDリーグという人気コンテンツがあります。RTDリーグが個人戦なのに対してMリーグは団体戦です。団体戦といっても対局自体は個人戦なので、そこでMリーグがRTDリーグとは明確に違う面白さ、観点を創り出すことが出来るのか、そこがMリーグの今後を占う上で最初の重要ポイントだと思います。Mリーグがスポーツとしての麻雀を打ち出すのであれば、ギリギリまで優勝を狙う構図が必要だと思います。
団体戦なりの面白さを表現するには、独走状態の渋谷ABEMASを止めるために皆で大井選手だけを狙う、2着目の朝倉選手に加勢する、様々な選択肢があったはずです。もちろん失敗して大井選手自体に和了られて終わってしまうというエンディングもあったかもしれません。あったかもしれませんが、その過程に対してファンは少なからなずMリーグ独自の魅力を感じられたのではないでしょうか。少なくとも茅森選手の和了を目にして、俺はひどくがっかりしたしMリーグってつまらないなと思いました。RTDリーグのように、早々に優勝は無視した争いになっていってしまうんでしょうか。女子選手はここまで9人が対局し、トップをとれた選手は一人もいません。女子選手は麻雀に男女の差はないことを証明すると言っていましたが、ここまでは何も証明出来ていないし、茅森選手に関しては今後対局の邪魔をしないでほしいくらいにしか期待が持てないと思っています。
今回の俺の感想が特に厳しいとは思いません。プロと名乗る競技は野球だろうが相撲だろうが、アンチや厳しい意見というものは山のように存在します。こういった真にMリーグに期待するファンの一意見すら重すぎるのであれば、Mリーグなんて看板は早々に下してまた内輪だけのプロリーグ戦に戻ればいいと思います。女性Mリーガー達の今後の奮起に期待します。