#アライブ がん専門医のカルテ と#トップナイフ 天才脳外科医の条件(2)

これをシリーズでドラマレビュー対決として語ります。

 

前回、#アライブ では、専門医と患者の向き合い方、病気に対する患者と家族の向き合い方、そして、専門医としての向き合い方はどうあればいいのか。

と言う事を提言させてもらったので、今回、その向き合い方について、私見とドラマとしての描き方を語りたいと思います。

 

 

昔は、「がん」と言えば、死を覚悟しなければいけない、患者には正直に伝える事が躊躇われる時代が長く続きましたが、現在の進歩した医療技術では、「がん」も早期発見されれば、決して不治の病、「がん」=「死」と言う病気では無くなってきたと言う事で、患者にも現状を正確に伝える事が通例となっています。

 

でも、「がん」と診断されれば、誰もが「死」を意識してしまう事も未だ事実です。

 

#アライブ では、「がん」と診断された女性から高齢者まで、様々な見方、観点で描かれていて、それに対して主人公恩田心(松下奈緒)「おんころ先生」は、患者に寄り添う姿勢で、今できる最大限の治療を目指し奮闘します。

 

#アライブ は、主人公恩田心の夫恩田匠(中村俊介)の死の真相を巡るヒューマンドラマであったわけですが、そのエピソードを通じて、心(松下奈緒)は、消化器外科医の梶山薫(木村佳乃)との関係性に対して結果的に絆を強めていくストーリーが描かれています。

 

これは、医療ドラマの中で起こる人間関係に対してのストーリーなので、ヒューマンドラマとして見応えのある部分です。

 

ドラマはこれがメインストーリーで主軸に置かれていたわけですが、この舞台となった、「がん」に対する医療現場の表現の仕方について、今の時代に応じたメッセージ性を持たせていく必要があったと思います。

 

 

これはどのような事かと言いますと、現在の進歩した医療技術の世界では、いわゆる標準治療「手術」「抗癌剤治療」「放射線治療」と言う標準3大治療の枠組みを出ない描かれ方であったと言う事です。

 

現在の進歩した医療技術を捕まえると、免疫療法、遺伝子治療など化学療法に併用して治療方法としても確立されつつある医療方法については、ドラマで一切触れられていなかった事。これは、今の保険診療で実施される医療業界を踏襲した上での描かれ方と言えるでしょう。

 

このドラマが、原作小説があって、もっと挑戦的な医療技術にトライしながらでも、人の病気に対して命を救うチャレンジを試みる様なストーリーが描かれていけば、観る人も希望感を持って観る事ができると思います。

 

ですが、この#アライブ は、現在の標準治療の枠組みの中で描かれているので、医療技術にフォーカスしたドラマと言うより、従来の「がん罹患者」と医師の人間的な繋がりを描いたものとして、「病気」をベースにしたヒューマンドラマになっています。

 

これが、#トップナイフ と絶対的に違うのは、#トップナイフ では、未解明である脳の様々な病理対して、果敢に手術と言う技術を通して、医療技術の発展性をドラマを通して私たちが希望を抱かせるアプローチだったので、関心が向いたのではないかと思っています。

 

だから、#アライブ では、なぜか哀愁が漂う雰囲気だったのに対し、#トップナイフ では、未来への可能性を抱かせる感情を持つ事ができたのが違いではなかったかと思いました。

 

 

でも、#アライブ も「がん」を捉えた病院の物語として、病院のあり方、医師のあり方、患者のあり方をドラマエピソードを通じて、リアルに描かれていたので、身近に感じられる良い内容だったなと思ってます。

 

 

一つ私見として言いたい事は、あくまで総合病院の現在の治療方針は、保険診療をベースにした標準治療がスタンダードになっているので、フィクションドラマなので、例えば#アライブ2 として描かれるのであれば、標準治療の限界に対して、現在では標準治療適用外である、自費診療ではありますが、ノーベル賞も受賞したオプジーボの免疫療法など、医療技術の進化とともに「がん患者の希望」をもっと未来ストーリーとして描かれるドラマがあって欲しいと思います。

 

と言うのも、#アライブ 最終回で描かれた梶山薫先生が自身の乳がん再発と戦いながら、最終回の最後で、医師として復帰した姿が描かれてましたが、プロセスとしての乳がん再発、再発後の治療、そして再発後の復帰の描かれ方。この再発後は、未だ適正ながん根治治療法が無いので、ドラマとしては再発後から復帰までのプロセスがオブラードでぼやかされて、クライマックスに向かってました。

 

この辺りを現実に遭遇していないオーディエンスは、ドラマに沿ってストーリーとして良かった、良かったでいいと思いましたが、

 

この再発、復帰と言う今の「がん」に対しての一番の課題があやふやにされて描かれていたことに対して、私自身「がん」に真っ向から向き合っている立場としては、はぐらされた感覚しかありません。

 

フィクションドラマで、ヒューマンドラマなので、その部分に忠実にフォーカスする責務は無いのでしょうが、でも、空想社会を描いたドラマでも無いので、もっと現実問題をクローズアップさせてドラマの構成を考えて欲しかったなあと言うのが私の私見です。

 

哀愁漂うヒューマンドラマよりも、今の進化した医療技術はこれからもっと、社会の期待に応えられる希望なんだと言うメッセージを持ったドラマであって欲しいと思いました。

 

 

 

※フジテレビ公式サイト「アライブ がん専門医のカルテ」から参照:引用

https://www.fujitv.co.jp/alive/

 

では、#トップナイフ で描かれた、医療技術の進歩を元に未来の希望がどの様に描かれていたドラマだったのかを次回にお話して行きたいと思います。