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昔のメキシコシティはスモッグがひどかった。2000メートル級の高地を3000メートル級の山々が取り囲んでいる盆地。空気が淀んで外に逃げない。
飛行機で着陸する時、スモックの層が見える。そこを飛行機が突っ込んで行く。晴れた日でもどんより曇っている。
巨大な扇風機を空に向けて、スモックを飛ばすと言う計画もあったそうだが。
高地だから空気も薄い。そして空気が悪い。ちょっと歩いただけで疲れる。
今はちょっとは良くなっているらしいが。
飛行場降りた途端に盗っ人の視線を感じる。
タクシーに乗ると、トランクに荷物を入れる人、ドアを開けてくれる人、そしてドライバー。みんなチップを要求してくる。スペイン語わからないふりして、日本語でどうもありがとうと両手で手を握り頭を下げてごまかす。
タクシーが走り出してしばらくすると路肩に寄せて停車。まだ目的地じゃないんだが。ドライバーが工具箱を持って外に出てタイヤのボルトを締め始めた。
緩んでたんかい。
そしてまた、おもむろに走り出す。今度はガソリンスタンドだ。ガス欠だから、金をくれだって!
ガソリンないんかい!
そして給油が済んで走り出すと今度は交差点で止まる。すると子供がやってきてウィンドウを拭き始める。そして、チップを要求する。
なんで私が払わなきゃいけないの?
ラジオでサルサでもかけてくれないかと言ったら、メキシコはロックだぜとご機嫌なメキシカンロックを聴かせてくれた。ドライバーもノリノリになってスピードが上がる。
次の交差点が極めつけだった。
交差点のど真ん中に松明を持った上半身、裸の男が立っている。おもむろに火を口に近づけ火を吹いた。
そして、車に近づいてきて手を出す。
彼はパフォーマンス対して対価を要求しているらしい。
なんで?
頼んでねーし!
なんか、フェリーニのアマルコルドと言う映画を思い出してしまう。
私は2泊して、キューバに行ってしまった。帰りもメキシコ経由で。メキシコシティは超刺激的だったね!
まだまだあるがその話はまた今度。
それでは今日はこの辺で。