真夜中の雨 -2ページ目

真夜中の雨

ひとりごと短編。

僕の過去は最低と言えるものだった。

今でこそ言えるけども、仕事も上手くいかず養えずに、愛していた小動物さえも捨ててしまい、その挙句に働く事も出来ないほどの鬱が発生し、家賃の支払いも滞りサラ金に手を出し、親に迷惑をかけてしまった。その後、実家に戻り僕は飲食店に勤めた。焼肉屋だった。

しかしその焼肉屋も1年半余りで辞めてしまった。理由は「このまま人生をこの場所で費やしていいのか」と言う我儘からきたものである。

世の中では仕事ができないで困っている者たちがたくさんいるのに、僕ときたら何にも世の中の事を知らない若造が人生を偉そうに語るゴミのような人間だった。ネグリストでADHDのクセにだ。

仕事を辞めてもプラプラとしており、その間に彼女が出来たが、僕のいい加減さとお金に無頓着さが表れ1年余りで別れた。その後彼女の思い出全てを吹っ切って、また違う焼肉店にお世話になったが人と相性が悪くすぐに辞めてしまった。それが25歳まで続いた。入っては辞めて入っては辞めての繰り返しに僕自身死にたい衝動が心に毎日走っていた。

ちなみにアル中も少し入っていたと思う。

その後に地元の小さな建築会社に勤め始めそれは10年継続できた。しかし人間関係は最悪で人と余り話さない日常を送っていた。

その期間に子持ちの女の人と付き合い始めた。知り合いの紹介みたいなもので。

彼女の子供はまだ1歳の男の子でとても可愛かった。

子供が生まれて直ぐに亭主の暴力があり、離婚したそうだ。

僕は彼女と子供に最大限出来ることをしてあげた。誕生日には当然好きなおもちゃを買ってあげた。機関車トーマスのミニカーだったり、彼女にも指輪をプレゼントした記憶がある。しかし1年ともたなかった。

原因はお互い離れて暮らしていた理由もあるが、単純にお互い冷めきっていたのが主な理由だ。

相手の子供には悪い事をしたと思う。

なんせお父さんになろうとしたのになれなかったのだから。ちなみに子供と彼女には指一本肉体的暴力は振るっていない。言葉での暴言も無かったと記憶しているが、彼女がどう僕のことを思っていたのかはわからない。

いくら冷めきっていたからと言って、結婚するもんだと思っていたが、人生は己が思っているほどスムーズにはいかないもんだと感じた。

きっと僕はバカなんだろう。

人との敬意さえもなく、何をするにも熱意もない。

おまけに気の利く言葉さえも言えない。

ないないづくしのダメ人間である。

それが嫌になり自殺も図ったが、途中で涙が出てやめてしまった。結構深い傷のリストカットは今でも残っている。

死にきれないと言うのは惨めなものだ。

頭も悪く、怠け者で、プライドが高く、我儘ときたら最悪の人間だろう。

周りは結婚して子供もいて幸せそうなのに、僕は底辺を這いずり回っていた。

今でもそうかも知れないが、今の自分の方が昔の僕と比べて少しはいいと思っている。

何故なら子持ちの彼女と別れてから自分を見つめ直して自己啓発を試してみたからだ。



続く。