龍の子太郎は山の中の小さな村でおばあさんと二人で暮らしていた。
ある日、太郎が山で遊んでいると、天狗があらわれ、すもうの強い太郎に百人力を与えた。
ある日、おばあさんは太郎にお母さんのことを話した。
太郎の母は太郎がお腹の中にいるとき、
空腹でたまらず、村のおきてを破ってイワナを食べてしまったばかりに龍になってしまった。
やがて生まれた太郎に龍はお乳代わりに美しい玉を残し、
「太郎が大きくなったら、北の国の湖に住んでいるので来るように」と
おばあさんに言い残して遠くへ行ってしまったのだ。
話を聞いた太郎は母をさがしに村を出る決意をするが、
その頃、仲良しのあやが黒鬼にさらわれてしまう。
黒鬼をやっつけあやを助けだした太郎は、
それまで鬼に苦しめられていた村人におむすびをごちそうになった。
米を食べたことのない太郎はたくさん食べたが
「貧しい自分の村の人に食べさせられたら」と思うと涙が出て来る。
村の人に貰った美しい鏡と一日百里を走る小馬をあやに渡し、太郎は旅を続ける。
ある山で吹雪に会った太郎は雪女にいたぶられとうとう意識を失ってしまう。
この様子はあやの鏡に与っており、あやは百里走る小馬に乗ってやって来て、
太郎を助けるのだった。
小馬に乗った二人はとうとう北の湖にやってきた。
太郎は「おかあさん!」と声を限りに叫び、あやは得意の笛を吹いた。
静かだった水面がザワザワすると、水面が二つにわれ、
目のつぶれた韻が姿をあらわした。
太郎が子供の頃乳代りにしゃぶっていた玉は実は龍の目だったのだ。
太郎は泣きながら龍の首にすがりつく。
母がこんな姿になったのも、村が貧しいためだと悟った太郎は、
湖の水を海に流し、お米の作れる新しい土地を作ろうと思いついた。
龍は太郎を背に乗せ、血を流しながらも岩山に何度も何度もぶつかった。
やがて激しい音とともに山はくだけ、水は洪水のように流れ出し、
海に注いでいった。
龍は太郎の思いやりの涙でやさしいもとの母の姿に戻った。
こうして出来た広々とした豊かな土地で太郎とあや、
山の人々はみんなしあわせに暮らし始めるのだった。
この話、子供の頃から大好きだったのだが、
母の龍の目玉をしゃぶっていたと分かるところは
いつになっても衝撃だなあ(笑)
