ひと月前のある朝 〈事故に遭い大変なことになっているらしい〉と
友人を介してメールが届いた。
生まれながらの楽天家 陽気 能天気な男
物ごとは常にPositive
石橋は叩いて渡るより 大丈夫!渡ろう!と何のEvidenceもなく言い切る
冗談が大好きで 時にわたくしを疲れさせる
「そんな彼のことだ きっと何かの間違い 悪い冗談」
と思っていた。 いや思いたかった。
電話 メール Skype
全て No Response
世界中を飛び回る さすらいの男
そんな彼と連絡を取るには 日頃からなかなかのタイミングだった
けれども 1日が過ぎ 2日 3日過ぎても
No Response
こんなことはなかった
どんなに移動が長くとも 返事をするには十分な時間が過ぎていった
事故から1週間 昏睡からまだ目覚めない
・・・
9日目 目を覚ますことなく 深き眠りについて逝った
世界中を飛び回る さすらいの男
太平洋を往復するわたくし
今もなお どこかの地に向かって 移動中だと
そう 思いたい
「博士はどうしてそんなに細々と考えるんだい?
~Life is short, don't think too much!
I'm tough, don't worry! ~」
そう笑って手を振った あの日の初夏の香りが忘れられない
時は悲しみや苦しみを癒してくれると言う
深き眠りについたBODYを
この目に
この手で感じ
セレモニーの場所にいれたなら
この現実を 現実として受け入れることが出来たかもしれない
人は辛い現実を 視覚 聴覚 触覚で受け入れることが必要なのかもしれない
Skypeのコンタクトリストにある彼の名前は
今日もOfflineのまま
Addio