博士のLIFE PHILOSOPHY

博士のLIFE PHILOSOPHY

職業柄か生まれつきか、日々起こる様々な出来事を深く、時には分析、時には理屈で考え、人生論を語るBLOG.

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ブルータス お前もか!!


友人Mが知人Yからの 「泣き」 で


金銭借用したが期日になっても返金がないと


激怒と興奮の高まりがビシビシと伝わるほどに


熱く電話がかかってきた。


この知人Y氏は わたくしの知人だったりもする 飄々とした男。


そのまた共通の知人Nは


先般綴った「没後100年のお方と盃を酌み交わす男」で


このN氏は 金銭借用していても 他人事にように


のらりくらり と返金しない男なのだが



さてさて


N氏のこのふてぶてしい行いは Y氏も知るところで


そんなN氏に Y氏も呆れ果て 疎遠を公言するほど


だが!


貧すれば鈍する のか・・


理に合わないExcuseにもはや出るのはため息と


ここにもまた 「ブルータス お前もか!!」 と。

ひと月前のある朝 〈事故に遭い大変なことになっているらしい〉と


友人を介してメールが届いた。


生まれながらの楽天家 陽気 能天気な男


物ごとは常にPositive


石橋は叩いて渡るより 大丈夫!渡ろう!と何のEvidenceもなく言い切る


冗談が大好きで 時にわたくしを疲れさせる


「そんな彼のことだ きっと何かの間違い 悪い冗談」


と思っていた。 いや思いたかった。


電話 メール Skype


全て No Response


世界中を飛び回る さすらいの男


そんな彼と連絡を取るには 日頃からなかなかのタイミングだった


けれども  1日が過ぎ 2日 3日過ぎても


No Response


こんなことはなかった


どんなに移動が長くとも 返事をするには十分な時間が過ぎていった


事故から1週間 昏睡からまだ目覚めない


・・・


9日目 目を覚ますことなく 深き眠りについて逝った


世界中を飛び回る さすらいの男


太平洋を往復するわたくし


今もなお どこかの地に向かって 移動中だと


そう  思いたい


「博士はどうしてそんなに細々と考えるんだい?

 ~Life is short, don't think too much!

I'm tough, don't worry! ~」


そう笑って手を振った あの日の初夏の香りが忘れられない


時は悲しみや苦しみを癒してくれると言う


深き眠りについたBODYを


この目に


この手で感じ


セレモニーの場所にいれたなら


この現実を 現実として受け入れることが出来たかもしれない


人は辛い現実を 視覚 聴覚 触覚で受け入れることが必要なのかもしれない


Skypeのコンタクトリストにある彼の名前は


今日もOfflineのまま



Addio





世の中 十人十色 とはよく言ったもの。


いろんな方々がいらっしゃる。


この男 画家を目指して一念発起美大受験を決意


画塾(絵の教室)*いつの言葉やら(汗) に通い


そのお師匠さんについて精進したそう。


時には朝まで土壁の前で画塾仲間とお師匠さんを囲み


酌を交わしながら絵画論を語ったのだそう。


  深く造詣はないものの、絵画は好きなわたくし。

  しかしながら、恥ずかしいことに その画塾のお師匠さんのお名前は

  ただ「ふ~ん」と聞き流す程度で

  わたくしの針は触れなかったのでございます。


数週間前 新聞の朝刊「編集手帳」にふと目をやると


〈お師匠さん〉のお名前が紹介されている。


なんと・・・


没後100年!!


いったい彼はどなたとご一緒に土壁の前で語ったのだろう?


Spiritual, religion 無縁な彼が放ったこの描写は


土壁や絵具、酒の入り混じる香りを漂わせ


在りし日の芸術論を熱く語った長い夜を想い描かせる。


わたくしだけではない この語りを聞いた誰もが 彼の哀愁を瞼に浮かべた。


この語りひとつは 営利のためにはならないが


語り部の噺ではないこれは 偽りの話であって


噺家でもない 利益もない


にも関わらず 現実のように語るその男


彼はやはり


チャネリング?


はたまた


タイムマシーン?


『謎の語り』


これを


肯定するものではないが、


師を囲み 志の同じ同輩と 熱く語り


少し古ぼけた 土壁の香りをつまみに


飲み交わす


そんなノスタルジックな投影は


わたくしに 昭和の香りを感じさせ


思わず微笑んだ



少しの失笑とともに。