??「フットボール部、始まった?」
??「ちょうど今、新入部員の自己紹介してるよ」
??「わー、いっぱい入るんだねー」
??「陽菜、他人事過ぎる!」
3人の賑やかな女子は、高橋みなみ、峯岸みなみ、小嶋陽菜。
いつもフットボール部の練習を見に来る、サポーターの様な2年生仲良し3人組。
きっとフットボール部に2年生が多く在籍しているのも、彼女達がいつも楽しそうに部活を観戦している理由かもしれない。
そんな彼女たちが、今、最も夢中になっているのが、フットボール部の新入部員の動向。
その視線の先で、一列に並んだ1年生と、現部員が向かい合っていた。
??「よろしくお願いします。自分の目標は、篠田先輩からポジションをぶんどることです」
その言葉に、部員は勿論、高橋たちといった、部活を見学している人間がざわついた。
小嶋は、すごーい、などと呟くが、峯岸は違う反応を見せた。
峯岸「ウソでしょ!あんなこと言って…だって、誠二くんにだよ?」
峯岸は素人だが、誠二の凄さは知っていた。
むしろ、この高校の学生なら、皆知っている。
U-17日本代表スタメンにして、日本代表では、もう1つのエースナンバー「7」を背負ったファンタジスタ。
ざわつく雰囲気の中、新入部員が口を開いた。
??「清水颯太です。トップ下やってます」
非難する声と、懐疑の眼を清水に浮かべる中、1人だけ、誠二は嬉しそうに笑っていた。
