目を覚ますと、病院内部で、どの先生でしたか?と聞かれ、覚えてない僕は直感で、目つきがまともなy先生を指差した。次に目を覚ましたのが、入院棟の一番端の4人部屋である。最初の記憶はカーテンが閉まっており、カシャカシャとカメラを撮る真似をする人の影である。まくらをたてて寝ていると、女性看護師のnさんが来て、あら高枕で、と言ってきた。思い切ってカーテンを開けると、目の前に当時49歳の患者さんがいた。話しを聞くと昔、ユーミンhttps://item.rakuten.co.jp/book/17629436/や米米クラブhttps://item.rakuten.co.jp/book/15000602/の舞台監督をしていたという。そのあと新大久保でイタリア料理のコックをしていたらしい。左のベッドにいる人はたまにぶつぶついうが、会話する状態じゃないみたいでそっとしておいた。病院の食事は決まった時間に学校の給食みたいに食べるのだけれど、僕とそのぶつぶついう人は人と一緒に食べられる状態ではなく、最後の、人が少なくなったころに行って食べていた。舞台監督だったs口さんは躁病らしい。s口さんは黄色いハンカチを綺麗に台の上におき、コーヒーを飲んでいた。絵が一枚あり、s口さんが書いたという。題名はピンクスパイダー。繊細なタッチで上手く描かれていた。s口さんのロッカーには赤のマルボロとマルボロメンソールの箱で作ったクリスマスツリーが飾られていた。僕が雑誌を読んだりしてて、物知りだったので、知ってることをあれこれかまわずしゃべっていたら、最初のうち、うんうんと聞いていたs口さんも、辟易したのか、あーもううるさいなぁと言って、そんなに雑学知ってるなら、演助になればいい。と言ったので、また援助交際のことかと思っていたら、演助とはADのことらしい。そうこうしているうちに左でぶつぶつ言ってるのが、念仏に聴こえてきて、デリケートな話題になるがちょっと勘繰ったので、左の人のカーテンをロックオン!ロック解除とかなんとか言いながら、勝手に開け閉めしてるうちに、話すようになり、演劇をやってた人だということがわかった。  s口さんにそれでもしつこく話しかけると、俺は高木ブーだー!!という爆風スランプのネタをやり出した。そしたら、演劇をやってた人が、あの高木ブーさんですか?!とびびってる。 s口さんは当時の新大久保は女性警官が一番怖い。びびってすぐ撃っちゃうとか、普段は赤のショートホープを吸う。日本で一番癖のないタバコだと言っていた。