今年も残すところ10日余りとなりました。
「今年の漢字」も発表され、26回目となる今年は 『密(ミツ・ひそかに)』 に決まりました。
2020年は本当にあっという間の1年でした。
3月に僧侶の修行を終え、歯科医の仕事へ復職した私ですが、コロナウイルスの話題で1年間が過ぎ去ったような印象です。
ただ、私はこの1年を”コロナのせいで”悪い1年だったとは感じていません。
悪い面もありましたが、良かった部分もあったと思います。
コロナのおかげで、人との出会いや関わり方が大きく変わり、
『自粛』生活のおかげで医療においては『感染症対策』、社会においてはリモートワークをはじめとした『通信技術』に大きな変革が起きた『濃密』な1年であったと思います。
私にとっても『濃密』な1年だったのは間違いありません。
僧侶としても歯科医としても今まで出会ったことのない物事に出会い毎日が学びの1年でありました。
大きく成長している1年だと思います。
修行を終え、山を下りてきたとき、あまりの不安に世紀末なのかと思った3月。
しかし、人は本当に柔軟な生き物です。
まだまだ戦いの途中ではありますが、その環境に合わせて大きく変化しようとしています。
そんなことに思いを巡らせながら、自坊の大掃除を本日お勤めいたしました。
あっという間に過ぎ去った1年。しかし、掃除をしてみると1年でこんなにも汚れが付くのかと驚かされる。
1年は長いのです。1年で出来たことは振り返ってみるととても沢山あるのです。
その1年で1つでも多くの事をするために、年間計画を私は毎年立てています。
濃密な1年を過ごすために心の中に誓いを立てるのです。
達成できないことも多々あります。でもそれでいいのです。
達成するために、自分がどういう手段でどういう努力ができたか。
その結果が年末に自分自身を振り返った時に答えとして現れてきます。
松下幸之助さんは『道をひらく』の中で
百のことを行って、一つだけが成功した場合の考え方について、一つでも成功した限りは、他の九十九にも成功の可能性があるということだ。といったことを述べられています。
今年1年は私たちにとって本当に苦難なことが多い1年でした。
しかし、そんな1年だったからこそ考えたり思ったり色々なことができた1年でもありました。ただしんどい1年だった、つらい1年だったと思うだけでなく、あれができたこれができたなどの出来たことに対して自分を肯定して1年を終えられたらいいなと思います。