SCUにいる5日間、ベッドの上で点滴と左半身の動きの確認の日々、その期間一度も不思議と便は出なかった。
尿はすべて尿器。
看護師さんに尿器に出すのを手伝ってもらうのは、恥ずかしさというより、精神的にまいった。
そして、その時、おむつを着けていた事を知った。
まだ39歳、トイレも1人で出来ないのか。
ただ辛かった。
毎朝のルーティーンがある。
名前を聞かれる。当日の日付を聞かれる。
僕(それくらい、わかるわっ!って言いたいところだが、僕自身がどの程度、呂律がまわってないか確認になるし、自分の脳が日付をちゃんと認識できているか確認になると理解した)
病院名を聞かれる。
体温測定。血圧測定。
左半身の動きの確認。
何もする事がない5日間だった。
食事のご飯は、お粥。おかずもとにかく味気ない。
スプーンで食べる。麻痺の影響で口の左側からポロポロこぼれる。
頭の中で思う事は、仕事の事と、これからの人生に対する不安だった。
当然、食欲は一切ない。
食事もなかなか喉を通らず、気が滅入って、手をつけない事もあった。
看護師さんから、ちゃんと食べないとよくなりませんよって言われる毎日。確かに正論だ!
少しでも出されたものを多く食べようとする。
どうしても食が進まない。
身内の面会時には、ただでさえ迷惑と心配をかけたのだから、元気なふりをした。無理があった。
余計、心配かけたようだ。
