一つの心が壊れるのを止められるなら 私の人生だって無駄ではないだろう
一つのいのちの痛みを癒せるなら 私の人生だって無駄ではないだろう
一つの苦しみを静められるなら 私の人生だって無駄ではないだろう

一羽の弱ったコマツグミを もういちど、巣に戻してやれるなら 私の人生だって無駄ではないだろう

エミリ・ディキンスン

生きるってなんなんでしょうか。

「音楽は僕を助けてくれる。」

もう何年も前に、つらかった時期に、ノートにこんな一言を書いていた。
別に音楽があったから今があるとか、音楽だけが救いだったとかそんなかっこいいものじゃないけどこれはそのとき心のそこから思ったことの一つだった。音楽は確かに僕を助けてくれた大事なもののなかの一つだった。言葉を見るだけで思い出す。

Ash - Starcrossed


最近、見たPV。


ずっと、しつこいくらいずっと、日常の生活のいろんな場面で思い出す彼女との思い出。

寝室で、近所の喫茶店で、洗面台で、通りで・・・・


ちょっと思い出してしまった。

家の柱を見て頭をぶつけていた彼女を思い出す、台所に立つと料理を作っていた彼女を思い出す、

自転車でコンビニに行くと二人乗りで行ってたことを思い出す。

あまりに記憶のスイッチが多すぎで、その町に近づかないようにしてた頃があった。


すごいな人間の頭って、ほんとにこんな風に映像になって迫ってくる。

胸が締め付けられるなんて言葉のあやだと思ってた。

これは古くありふれた話しだけれど、いつも変わらず新しい。そしてあいにくそういう身の上になると、胸がふたつに割れる。      -ハイネ


書きたくない時に書いてはいけないな。今でも十分につらいが、まだ大丈夫。

ひとりでいると自分が何を糧に生きているのか分からなくなる。
「ああ、何をしてんのかなあこんなところで」

いまどこか世界の中で泣いている 理由もなく世界の中で泣いている者は 私を泣いているのだ
いまどこか夜の中で笑っている 理由もなく夜の中で笑っている者は 私を笑っているのだ
いまどこか世界の中を歩いている 理由もなく世界の中を歩いている者は 私に向かって歩いているのだ
いまどこか世界の中で死んでゆく 理由もなく世界の中で死んでゆく者は 私をじっとみつめている
 -リルケ

誰かとつながっている、それだけで生きるのには十分なのかもしれない。
それを感じたい、想うだけでは一方通行で感じることができない。

彼の心が裂けるならば、悲しみがあふれだし、地表を覆い尽くすだろう。しかしおそらく誰一人として、その奔流には気づくまい。
 -チェーホフ


友達が最近大きな失恋をした、話を聴いているときに泣いていた。でも、その本当の溢れんばかりの悲しさをすべて僕が理解することはないだろう。どれほど大きく、どれほど深い悲しみなのかそれが目に見えることはないだろう。
それでも、僕は友達の悲しみを見て一緒に悲しみたい。
見えないことは悲しい、見えないことを大切にしたい。

同じように僕の悲しみが他の人に見えることもないだろう。
ああ、それでも誰かにこの地表を覆い尽くす悲しみを見つけて欲しいと願う。
いつの間にか、痛いと思うことを無意識に避けてしまっている。
恋愛の話に参加しない、悲しい話を見ないようにする、痛みを感じるものも見ない。
よくないのは分かってるんだけど、歳をとればとるほど心が弱くなって、壊れやすいものを後生大事に守っているような気がする。
それがさらに殻に閉じこもっていてよい結果を生まない、悪循環。
いつか、いや今からでも変わりたい、でも痛みには耐えられない、孤独と痛みの両方には耐えられない。
せめてどちらかだけなら。

わたしは傷をもっている
でもその傷のところから
あなたのやさしさがしみてくる
 星野富広

そういえるようになればいい

逆に孤独を感じる。たくさんの人と一緒に楽しく飲んで、強く孤独を感じる。みんな笑って、自分も笑って・・・何でだろうか。


孤独・・・・訪ねるにはよい場所だが、滞在するには寂しい場所である。

 ヘンリーショー

苦しみは世界を崩壊させる。雷に打たれた木がまっぷたつに裂け、、ぐらつき、むき出しにされるように、私たちの世界も苦悩に打ち砕かれる。決してもとには戻れないだろう。私たちの行く末は謎である。        

  ネイサン・コラー



つらいです。

なんでこんなことしてるんだろうと思う。

なんの得にもなっていないし、周りからも何の評価にもなっていないのもわかっています。


でも、こう思います。

「これ以外の生き方を思いつかない」「そこを譲ったら自分じゃない」

ああ、なんでこんなことをしているんだろうと思いつつこのまま生きていきます。


自分の周りのすべての人が幸せになりますように。

そして、誰の記憶にも残らない自分を誇れますように。


未熟な自分を笑えますように。