『まんまるる』のお話を、これから書きます

 

まんまるるの昔話…砂漠

 

ぼくは、まんまる、まんまるる。

ぼくは、お話好きのおつきさま。

 

 

今日はね、ぼくが砂漠の上を照らしていたときのお話さ。

ぼくが、ある大きな砂漠の上を通っていたときだった。

その砂漠のちょうど真ん中にかわいいオアシスがあったのさ。

オアシスには、ひとりの老人が池のそばでぼくを見上げていたのさ。

そして老人はこう言ったんだ。

 

「やあ、砂嵐のあとの月は格別にきれいだ。」

「このオアシスには、わし以外もう誰もおらん。話す相手もおらんし、あの月を相手に話でもするかの。」

 

老人は、肩に担いでいたじゅうたんを池のほとりに広げてね。

老人は、ぼくをまた見上げて、静かに話し始めたのさ。

 

「むかーし昔の、そのまた昔の大昔のことじゃった。」

「昔は、この世に砂漠はなかったそうじゃ。みんな緑に覆われておっての、空の藍と湖や海の青と、それはそれはみごとなコントラストじゃったと聞いている。」

「じゃが、1箇所だけ森も湖もなく、大きな石だらけの丘があったと聞いている」

「その丘の真中が凹地になっていてのう。凹地の回りだけが大きな石で覆われていたんじゃ」

「そして、その凹地の真ん中に、それはそれは美しい池があったのじゃ」

「昔から、この池には精霊が住んでいた聞いておった」

「この凹地の回りには、大勢の人々が住んでおった」

「しかしのう、この凹地の回りだけ石がゴロゴロしていたのでの、ここの住人は他の土地の者たちに引けめを感じておったそうだ」

『ここの大きな石たちをなんとかしたい』

『そうだ、ここの大きな石さえなければ、ここはとても素晴らしいところになる』

「そう住人は言っての、みんなで集会を開いたんじゃ」

「そして、とうとう、とんでもないことをしてしまったんじゃ」

「どうしたかって? 凹地の回りの大きな石たちを凹地に落として石どうしを、ぶつけあったのじゃよ」

「凹地の回りにある石がおわるとのう、その奥から転がしてきて、またぶつけ合ったのじゃ」

「そんなことを何度も繰り返してのう、気がつけば凹地の回りの大きな石たちが一つも無くなっておったそうじゃ」

「さらにのう、小さな石もすべて凹地にころがしての。凹地の回りはきれいな平地になったそうじゃ」

「住人たちは、回りから石が無くなって喜んでのう」

「しかしなぁ、喜んだのもつかの間じゃった」

 

「さっき、わしが話したが、凹地のそこに美しい池があったとな」

「そして、精霊が住んでいるとも言ったのう」

「そうじゃ、住人たちはこの精霊の怒りをかってのう」

「しばらくすると、あたりは真っ暗になっての、突然嵐が襲ってきたのじゃ」

 

『お前たち、とんでもないことをしてくれたな。ここは、私達のいる聖地だ』

『自然を敬わぬ身勝手な心。許さぬ』

『この砕けた石は、要らぬ。お前たちのところに返すぞ』

「そう精霊たちの大きな声が響くとな、とても小さくなった石達が凹地から一気に舞い上がってのう。住人たちに襲いかかったのじゃ」

「それはなぁ、まるで砂嵐のようじゃった」

「住人たちが気がつくとな、あたりは一面小さな石たちに覆われていたそうじゃ」

「自分たちの家や、街も、街の回りの森も、全てが小さい石に覆われてしまっていたんじゃ」

 

「これが、砂漠の始まりじゃった」

 

「じゃがのう、これで終わりではなかったんじゃ」

「自然を大事にしない街があるとのう、凹地から広がった砂漠はのう、どんどん広がっていったそうじゃ」

 

「そうじゃ、これが、砂漠ができた理由じゃよ」

「わしの居るここも、砂漠になってしまった」

「自然を大切にしなかった罰だったのかのう」

 

「さてさて、お月さんよ、今日の話は終わりだよ」

「次の満月の夜に、また昔話をしようかの」

「さーて、寝るとしようかい。おやすみ、お月さん」

 

 

おじいさんのお話、面白かったねぇ

 

ぼくはまだ、起きてるけどね

また聞きたいな

必ず、おじいさんのところに、また来るね

 

おじいさん、おやすみ