ショウは小さい子どもに戻ったような気がした。
ナニーロボットにしてもらっていたようにサトシがショウの入浴の世話をした。
ショウの体まで洗い終わると、バスタブにショウを浸からせて。
サトシは自分の体を洗い始めた。
特に首周りは白い部分と浅黒い部分とが綺麗な線になっていた。
どういうわけか?
白い部分の肌を見るとショウの鼓動が速く打ち始める。
そのせいもあってサトシが体を洗った泡を流す頃には。
ショウはのぼせていた。
「サトシさん・・・すいません。
もう出ます」
立ち上がった途端にクラッと脚の力が抜けそうになった。
バスタブの縁に手をつき、よろけそうになった体を支えた。
「ショウくん、大丈夫?
背中痛む?胸が苦しい?」
背中の痛みは全然気にならなくなっていた。
ふらついたショウの方に体を半分ひねった。
細く見えるサトシの体に筋肉のラインが浮き上がる。
自分にはないその線を見て、ショウは美しいと感じた。
その線を指でなぞってみたい、そんな衝動がショウに湧き上がった。
そのことにショウは戸惑いを感じた。
これはどういうことなんだ?
他人に触れることが気持ち悪いと思っていた数日前の自分と。
全く違ってしまったことに対する戸惑いだった。
その衝動を押しとどめようとすればするほど。
ショウの鼓動がうるさいほどに走り始める。
「背中は大丈夫です。
でも・・・胸が・・・」
「出よう。ベッドで休んで、ちゃんとメディカルチェックしよう」
サトシの手がショウの体を支える。
手が腰を抱きかかえる。
触れているのは手のひらだけではない。
腕がショウの背中から腰周りを渡る。
ショウの半身はサトシの半身で支えられている。
肌と肌が直接触れ合っている。
その部分だけが異常に熱く感じた。
さっきよりももっと心臓がうるさい。
苦しいほどに鳴っている。
「サトシ・・・さん。
もう・・・苦しくて・・・ダメです」
ショウは胸を手で押さえた。
「ベッドまで頑張って」
脱衣所を通り過ぎながらサトシはタオルを掴んでショウの肩に広げた。