持ってきたバッグが置いてあったので、パンツを出して履いた。

やっぱり、落ち着く〜

 

あ、そうだ。

濡れちゃった服とかのこと、相談しなきゃ。

 

 

「ちょっと服どうするか、話してくるから待ってて」

 

翔くんに言い残して、部屋を出た。

広間に戻ると、おかみさんがいた。

 

 

「おかみさん、濡れた服、お風呂場に脱ぎっぱなしなんだけど・・」

 

「あぁ、あれね。洗濯しときますよ。

次に来た時に持ってかえれるようにしときますね」

 

「いいんですか?」

 

「いつもうちをご贔屓にしていただいてるのでね。

それくらいお安いご用ですよ。

洗濯機で洗っていいんですよね?

クリーニングに出す方がいいなら、後で実費請求させてもらいますけど。

釣具もうちの人が今、使った後の手入れしてますんで」

 

「何から何まで、ありがとうございます。

洗ってもらえるなら、洗濯機で大丈夫です。

うちでもいつもテキトーに洗濯してますから」

 

とは言うものの。

着てた服は新品のだから、洗濯したことないや。

まあ、いっか。

洗濯できない釣り用の服なんてないだろ。

料理のメニューのことなんかも少し話して。

船長のところに行こうと思ったんだけど・・・

おかみさんに聞いたら、外だ、ってことだから。

諦めた。

浴衣じゃ寒い。

 

 

 

「翔くん、お待たせ」

 

部屋に戻って声をかけても返事がない・・・・と、思ったら。

座布団を枕にして眠ってた。

体を丸めるようにして、小さくなって眠ってる。

 

年末までずっと忙しかったし。

年明けてからも、忙しかったもんね。

でも・・・このままじゃ風邪ひいちゃいそう。

布団・・・あったかな?

押し入れっぽいところを開けると、布団一式があって。

掛け布団を引っ張りだした。

翔くんにかけると、寝返りをして、大の字に。

寒くて丸くなってたのかな?

と・・・思ったら。

いびきをかき出した。

本格的に眠りに入ったか?

声をかけても、起きない。

頬をツン、と指先でつついても起きない。

これから食事なんだけど・・・どうしよう?