「ヤキモチ妬いてたの?」

 

「妬くでしょ!

智くんが俺以外のヤツに至れり尽くせりしてるんだ、って考えたら!

あんなことこんなことまでしてやってんのか!って。

バックハグするみたいに釣り教えたりしてないよね?」

 

翔くんっ!目がすわってる!

怖いよ!その目つき!

 

 

「してない、してないよ!

あれは翔くんだからやったの。

だって・・・二人きりだからさ。

ちょっとは・・・デートっぽいことしたかったしさ」

 

「それならヤツらのことも許してやろう」

 

「なにそれ」

 

くふふ、って笑いが漏れた。

許してやろう、って。

今までずっと怒ってたの?

 

 

「笑い事じゃないよ、智くん。

智くんの手が他のヤツに触れたと考えるだけで・・・・

ムカついて仕方ないんだからね?

俺が独占欲をどんだけ普段押さえ込んでるか?

智くんにも言えないくらいだからね」

 

「抑えなくてもいいのに」

 

独占欲が強いのは僕の方。

翔くんの全てを自分のものにしたい。

翔くん自分の身の中に入れて自分の一部にしたい。

なんてことすら思ったこともあるなんて。

決して翔くんにも言えない。

それに比べれば、きっと翔くんの独占欲なんて可愛いものだよね。

 

 

「そんな可愛いこと言うと、解き放たれちゃうよ?」

 

「んふふ、そんな怖い独占欲なの?

んじゃ・・・ね。

今夜だけ解禁しちゃう?」

 

翔くんの独占欲、見せて欲しい・・・な。

 

 

「いいね、それ。

誕生日プレゼント?」

 

「プレゼントは、この釣りツアーだよ。

でも、特別特典として、それも付ける?」

 

「付けてもらいたい」

 

「じゃ・・・契約成立ね」

 

契約印はねっとりと深いキス。

翔くんのぷるんとした口唇を舐るように吸い付いた。

思わず、翔くんに抱きついてしまう。