翔くんはその夜、あったかい下着とかをネットで買っていた。

僕のオススメを買ったからだと思うけど・・・

僕の分も買ってくれて。

サイズ違いの同じ下着を何枚も。

同じのだと、洗濯した後の振り分けが大変なんだよね。

ちゃんと色違いで買ってくれたかな?

 

その夜、翔くんはベッドの中でも釣りの準備のことを考えてた。

かなり夜遅くなってまでもそんなこと話しながらスマホ見てるから。

 

 

「翔くん!明日も仕事でしょ!?

いい加減、もう寝ないと明日ツライよ?」

 

「だって・・・智くんとの釣りが楽しみすぎて。

眠れない・・・一向に眠気が起きないんだよ」

 

困ったときの翔くんの顔。

そんな顔も好きなんだけど。

今は寝かさないと。

 

 

「スマホ見てるからじゃないの?

もう、置いて。

目覚ましはセットしてある?」

 

した、って感じに頷いた。

 

 

「んじゃ、おやすみにキスしてあげるから。

ただし!

今から10数える間にスマホ置いて寝ないと・・・

してあげない!」

 

「寝る!寝ます!寝させていただきます!

ほら、もうスマホ置いた!」

 

「ちゃんとお布団掛けて」

 

布団かけて、縁に手をかけて、僕の様子を伺う翔くん。

 

 

「目、つぶって」

 

言われるままに目を閉じる。

目が大きい翔くんって、目を閉じてもそれが分かる。

瞼まで綺麗なんだ。

 

閉じた瞼にそっと口唇を落とした。

 

 

「おやすみなさい」

 

「・・・・智くん、おやすみのキスって・・・そこ?」

 

翔くんの指がポテっとした口唇を指し示す。

 

 

「んふふ、しょうがないなぁ」

 

 

 

結局、その夜、翔くんを早く寝かすのには失敗した。