翔くんが自分の部屋に引っ込んだ隙を狙って。
僕も物置部屋に引っ込んだ。
慌てて船長に連絡を入れた。
打ち合わせの約束だったから、船の予約はしてなかった。
船長は笑って、大丈夫だ、と請け負ってくれた。
どっちにしろ、船の上で話すつもりだったからな、って。
お弁当もおかみさんに二人分頼んどくって言ってくれた。
『おっと。大事なこと忘れてた。
例の件な、オッケーだったぞ』
「え?それじゃ?」
『おぉ、例の計画、その日にしちまえばいいんじゃないか?
そんなたびたびは来れないだろ?
現金で○万持って来てくれ。
それだけはカード決済使えないんだ』
「ありがとう!船長!そうする!」
じゃあ、釣りの準備していけばいいんだね!
「あ?船長?今の時期、何が釣れる?
どんな仕掛け持ってけばいい?」
「マコカレイかメバルあたりだろうな。
普段持ってきてるようなので、大丈夫だ。
装備チェックして、足りなさそうなら、うちにあるのを使えばいい」
「ありがとう!
じゃ、よろしくお願いします」
なんとかなりそうで一安心。
じゃ、当日持っていくものの準備しとかなくっちゃ!
タックルボックスと竿と長靴とライフジャケットと。
あ、防寒の帽子も!
全部色違いで揃えてある。
・・・変かな?変だよね?
上着を僕だけ違うのにしようかな?
他のはお揃いでも、目立たないよね?
「智くーん!」
「はーい!ここ!」
翔くんが僕を探して物置部屋までやって来た。
ドアを開けた翔くんは封筒を僕に差し出した。
「これ、お願いします」
「何?」
封筒の中を覗きこんだ。
入っていたのは・・・
大野智と釣りツアー参加券(道具装備付き)
☆★
2017年の翔くんのお誕生日あたりのおはなし。
覚えてる?(笑)
お初の方は探して読んでみてね。