サトシのベッドの中でショウはサトシが言ったことを考えようとした。

疲れがショウの思考を妨げる。

大して考えることもできずに、ショウは眠ってしまった。

 

 

 

ズドンと衝撃を受けて、ショウは目を覚ました。

ちょっと離れたところに立ったままのサトシがショウを見ていた。

大きく目を見開いていた。

 

 

「ショウくん、大丈夫?」

 

何に対して大丈夫?と聞かれているのだろう?

眠気がまだ残っているショウはボーっとして考えられなかった。

返事をしなかったからか、サトシが近づいてきた。

 

 

「ちょっと・・・変なとこ、ぶつけた?」

 

しゃがんだサトシがショウの体のあちこちを触る。

ショウは反応ができなかった。

他人に触れられていることに、不快感がないのが不思議だった。

 

 

「どうしよう・・・動かさない方がいいのかな?」

 

サトシを見る目線がかなり上に向かっていることにショウは気付いた。

もしかして、ベッドから落ちた?

ショウは体を起こした。

普段使っているベッドより狭かったからか。

ショウの動きの範囲をカバーできなかったようだ。

 

 

「サトシさん、大丈夫です。

よくあることですから。

ベッドからよく落ちるんです」

 

話しながらショウは起き上がった。

ベッドに入ってから、まだ数時間しか経っていなかった。

 

 

「サトシさん、もう仕事ですか?」

 

「そろそろね。

ショウくんが大丈夫そうなら仕事に行くけど・・・・」

 

サトシは眉をひそめた。

 

 

「じゃあ、準備します」

 

「待って、今日も付いて来るつもり?

野宿だよ?覚悟はできたの?」

 

「・・・すいません・・・正直・・・・まだ・・・

でも!今日の夜までに覚悟決めます!

覚悟できなかったら、諦めます。

今日もサクラを見たいんです。

お願いします」

 

ショウは頭を下げた。