真面目なさくらいさが。

オイラとの関係断ち切らずにいてくれただけでも。

受け入れられてるとは思ってた。

言葉にしてもらえないのは、なんか・・・

時々ズルいって思うこともあったけど。

 

でもさぁ・・・オイラの“好き”をそんな風に思われてたのは・・・

ちょっと傷ついたっていうか。

ショックだった。

オイラの本気、全然伝わってなかったってか。

本気を信じてもらえてなかったんだな、って。

 

さくらいがものすごく悪いことした、って顔して。

謝ってくれたから許すとは言ったけど。

内心は・・・なんかもやもやして。

 

許すって言った手前・・・グチグチも言えないし。

さくらいの方に顔、向けないように。

こたつに頬をつけて、目を閉じた。

 

あ〜もう!

早くこのもやもやなくなれよ!

落ち着かないかと、心の中で数かぞえてみたり。

課題の絵の構図考えてみたりしたけど・・・

すぐ横にさくらいがいるからなのか。

全然落ち着かないどころか。

それ以上何も言わないさくらいにイライラする。

 

もうだめだ。

これ以上、ここにいたら、なんか言っちゃいそう。

ガバっと体を起こして、こたつから出た。

 

 

「ちょっと・・・出てくる。

近くにコンビニある?」

 

上着を手に取りながらさくらいに聞くと。

さくらいが目を瞠った。

オイラの袖口掴んで、首を振る。

 

コンビニ・・近くにないのか?

駅に近いわりに・・不便じゃね?

 

 

「コンビニねえの?」

 

って聞いても、首を振る。

なんだよ・・・どっちなんだよ?

 

ま、いっか。

コンビニに行くのが目的じゃない。

落ち着くのにさくらいから離れる時間が欲しいだけだから。

 

 

「おお・・の・・・・」

 

なんか言いたげなさくらいの手をそれとなく振りほどいた。

 

 

「んじゃ、ちょっと出てくる」

 

さくらいがどんな顔してたのか?

オイラは気にかけもしなかった。

グチャグチャになりそうな自分の気持ち立て直すのにいっぱいで。