携帯のアラームが鳴った。

翔くんの携帯からだった。

 

その時、僕と翔くんは何回も繰り返しキスをしてた。

最初は僕からだった。

ちょっとして離すと、今度は翔くんから。

クスクス二人で笑いながらキスを繰り返してた。

それ以上は進まない。

でも、なんとなく、そのまま寝ちゃうのが惜しいような気分になるキス。

 

 

「智くん、38歳の誕生日おめでとう!

これからもよろしくね」

 

すぐ近く。

囁くような声でも聴こえる距離。

そんな時の翔くんの声は・・・すごい低い声で。

ヤラシイ声なんだよね。

シテる時にこんな声で囁かれたら・・・それだけでヤラれちゃいそうな。

 

 

「ありがと・・・

翔くんに一番に祝ってもらえて・・嬉しい」

 

僕のスマホが何回も震える音がする、

きっと、嵐のみんなからのお祝い。

ゆーりとか・・のんちゃんとかも・・送ってきてるのかも。

返事は・・・後になっちゃうな。

 

 

「智くん、何考えてる?」

「ん・・・返事・・・遅く・・なっちゃうな・・って」

 

返事は、明日起きてからでいいや。

今夜は翔くんと過ごしてるんだもん。

他の人のことは考えない!

 

 

「翔くん、ありがと。

37歳の僕とお別れできたよね?

38歳の僕によろしく言ってくれたもんね。

今夜はもう寝ようか?おやすみ」

 

僕が翔くんの髪を手で梳くと、翔くんは嬉しそうに笑った。

そのまま目が閉じていって。

 

すぐに寝息が聞こえ始めた。

僕は自分の定位置に潜りこむ。

翔くんの腕の中。

翔くんの鼓動が聴こえるところ。

 

 

ゆっくりと刻むその音を聴きながら眠るのが好き。

誕生日は・・しあわせな時間で始まった。

 

朝、起きたら翔くんのためにコーヒー淹れよう。

新聞読む翔くんの隣で、一緒にフーフーしながらコーヒー飲んで。

今年の僕の誕生日もきっとしあわせな一日になる。

 

明日も・・おかえりのキスで迎えてあげようかな。

そしたら、誕生日はしあわせな時間で終わるよね。