翔くんのバッグと台本を持って、片手は翔くんとつなぐ。
リビングまで引っ張るようにして連れて行く。
翔くんはソファーにどさっと座ると、ぐでーっと体全部をソファーに預けた。
「翔くん、今日、刺し身とかあるけど・・・
どうする?
疲れてるなら、お風呂入ってすぐ寝る?」
「んー疲れてるけど・・・
でも、食べたいな。ちょっと一杯くらいは・・飲みたい」
「ん・・じゃあ、お風呂入って来たら?
その間に、僕、準備しとくから」
「智くん・・・お風呂待っててくれなかったの?
俺・・一緒に入りたかったのに」
なんて言って・・・隣に座る僕の耳の後ろあたりに鼻くっつけてくる。
グリグリって鼻を擦りつけるようにしてくる。
「くすぐったいってば!」
「智くん、感じちゃう?」
ふふ、って笑って、翔くんは僕から離れた。
首筋が急に寒くなる。
そのまま翔くんは離れた。
「風呂入ってくるね」
翔くんの部屋にバッグと台本を置きに行った。
食事するのに汚れたら困るだろうし。
あの調子だと、今夜はもう台本読み込む元気はないだろうし。
翔くんのルームウエアと下着を洗面所に準備したら・・・
食事というか・・晩酌というか・・・
寝酒になるかもしれない。
準備を始める。
キッチンで山葵をおろし始める。
早くしないと翔くんがお風呂から出てきちゃうな。
なんて思ってたら・・・考えてるよりずっと早く出てきた。
「もしかして・・たこわさ?
いいねぇ。
久しぶりだよね?」
後ろから僕に抱きついてくる。
今日の翔くんは少し甘えん坊・・・かな。
また耳の後ろに鼻擦りつけて。
ついでのように首筋をペロっと舐めていく。
「んふふ・・くすぐったいってば」