「僕が一番しあわせだな、って思うとき。

それはね・・・いつものことしてるとき」

 

「いつものこと?」

 

「そう。翔くんのためにいつも淹れるコーヒーを淹れてるとき。

いつもみたいに二人でお揃いのマグカップでフーフーしながら飲むとき。

いつもみたいに二人で家に帰ってきて。

いつものように玄関先でただいま、おかえりのキスをするとき。

いつもみたいに手をつないで大して長くもない廊下を歩いて。

いつもみたいにリビングに入るドアに二人で突っかかって。

いつもみたいに疲れたね、って笑い合って。

いつもみたいに二人でベッドに入る。

 

そんなね・・・翔くんと・・・いつものこと、してるのが・・・

一番しあわせなんだよ」

 

僕は、いつもするみたいに翔くんの手をとって、つないだ。

翔くんがギュッと手に力を入れてくれる。

僕も力を入れて握り返す。

 

 

「だからね・・・誕生日には、いつものように過ごして欲しいな。

台本読むのに疲れたーって言う翔くんの肩、揉ませて欲しい。

目覚めのコーヒー淹れたりしたい。

 

この仕事が詰め込まれてる時期。

翔くんが無理して時間作る必要なんてない。

ホテルも隠れ家的ビストロも料亭も。

きっと素敵だと思う。

でもさ・・・・無理した時間で行くよりもさ。

時間に余裕がある時期に行きたいな。

 

僕の誕生日にはさ・・その予約しようよ。

一緒にカタログ見て、どこがいいか選ぼう?

1月のスケジュールくらいはざっくり決まってるだろうからさ。

できたら・・・さ。

スケジュールが空いてたら。

翔くんの誕生日に・・・行けるように、予約入れよう?」

 

 

僕が生まれたことを・・・

一番大好きな人が祝いたいって思ってくれてるのが嬉しい。

忙しいのに、時間を割いて調べてくれたのが嬉しい。

 

大好きって気持ちがもっと膨らんでいく。

 

翔くんは納得してくれたのか?

レポート用紙とカタログをかき集めた。

片手でやってるから、綺麗には揃わない。

僕も片手で手伝う。

二人で揃えたのを、テーブルの上に置いた。

 

 

握ったままの手。

翔くんの指が僕の手の甲を撫でる。

たったそれだけの動きなのに。

翔くんは僕に簡単に火をつける。

 

翔くんの頬に手を添わせた。

僕の大好きなつぶらな瞳が僕を映す。

僕の大好きなぷっくりした口唇が僕の口唇に触れた。

 

いつもの時間が始まる。

 

 

 

僕が・・・一番しあわせを感じるのは・・・・

こんなとき。

 

 

 

END

 

 

 

☆★

 

 

誕生日のお祝いにつながるかなぁ?(笑)

どうかなぁ?

な、感じです。

 

もうあと一週間なんですね〜

まだ、何も考えてないです・・・