翔くんがやけにテンション高い。
食後、ソファーに寝そべってのんびりしてた僕に翔くんが声を掛けた。
ソファーに座りなおして、テーブルに向き直る。
僕の前に置かれた3枚のレポート用紙。
翔くんはテーブルの向こう側。
レポート用紙は僕が見やすいように置かれた。
なんだ?と思ってるうちに、翔くんのプレゼンが始まった。
「智くん、今年の誕生日のプランはどれがいい?
A.ホテルでのディナーの後、バーで軽く一杯。その後、ホテル泊。
B.隠れ家的ビストロでの食後、ドライブ。
C.料亭での食後、朝活で温泉に入りに行く。
なんだったら、組み合わせてもOK!
ホテルディナーの後、ドライブして朝活の温泉でもいいし。
隠れ家的ビストロの後、バーで一杯飲んで、ホテル泊もいいし。
早目に決めて、予約押さえとかないとね」
翔くんのちょっと縦に細長い字。
特にオススメしたポイントなのか?
ところどころに大きく丸で文字が囲ってある。
そして、次にホテル、隠れ家的ビストロ、料亭なんかのパンフレット?
ホームページを印刷したもの?
が、置かれて。
それらの説明が始まる。
「翔くん」
「ん・・なんか質問ある?」
「あのさ。今年、翔くん、大晦日、司会するでしょ。
こんなことしてる暇ないんじゃないの?」
「智くん。時間は作るもんだよ。
確かに司会は準備時間もかかる。
でも、智くんの誕生日を祝いたい。
その時間は確保する」
無理して空けた時間でお祝いなんて・・・
嬉しいけど・・・嬉しくない。
「翔くん、今年はお祝いいらない。
だから・・・」
「いらないなんて!そんなのダメ!
智くんがこの世に生まれてきてくれたこと。
俺にとっては何よりめでたいことなんだから!」