翔くんが僕の腕を引っ張った。

 

「智くん、何、いまさら照れてるの?」

 

くすって感じに笑う翔くんの余裕が憎らしい。

翔くんにまたがって、上から翔くんを覗きこむ。

 

「そんなことないしっ!」

 

翔くんの顔の横に手をつくと、翔くんの目つきが変わる。

熱っぽくって・・・優しくって。

この目つき・・っていうか。

この表情。

すごい好き。

 

 

「智くん」

 

動く口唇が赤くて、ぷるんとしてて。

美味しそうに見える。

そういえば・・お風呂後にリップ付けてない。

かさかさしてないかな?

そんなことが気になるけど、キスしたいっていうのは止められない。

翔くんに向かって体を倒していく。

チュっと翔くんの口唇に触れた。

翔くんとのキス・・・好き。

気持ちいいから。

 

普段、隠さなきゃいけない、って。

心の奥にしまってある好きって気持ちが表に出せる。

でも、何度もキスしてると、それが嬉しい、って言われてる感じがして。

 

キスするの・・・・好き。

何回も、確かめるみたいにするの・・・好き。

 

翔くんも・・・僕とキスするの・・好きって思ってくれてるかなぁ?

 

 

翔くんがいる、って確かめて。

僕が翔くんを好き、って確かめて。

翔くんが僕を好き、って確かめて。

 

もっと触れたい、って気持ちが昂ってくるのを確かめて。

翔くんに体をすり寄せた。