二人、全身が濡れたまま、近くにあるホテルに入る。

フロントも宿帳も何もないホテル。

車で部屋の前まで乗り付けて、そのまま二人で部屋に入った。

 

 

そのままバスルームに向かって、服を脱がせ合う。

シャワーからの湯気が少しずつバスルームを温めてくれている。

 

温かいお湯が冷えきった二人の体を温めてくれる。

 

 

「翔ちゃん・・・」

 

首にしがみつくサトシは背伸びをしている。

俺は少しだけ屈んでサトシの腰を抱く。

 

サトシは幼くあどけない顔立ちをしている。

なのに目の前のサトシにはあどけなさの中に妖しさと艶やかさも感じる。

 

 

「僕・・・もう・・・大人だよ?」

 

サトシのモノに手を導かれる。

顔立ちのあどけさなからは想像できないモノがそこにあった。

 

手を絡ませると、サトシの眉がキュっと寄った。

手の中でグン、グンと力を持っていく。

 

 

「翔ちゃん・・・僕を・・・翔ちゃんのものにして?」

 

サトシの手がオレに絡む。

すでに兆し始めていたオレが熱を持ち、硬く張り詰めていく。

 

 

突然、壊したくなるほどの衝動に襲われた。

サトシのパパ代わりだった俺は綺麗に消え去った。

豹変して、積極的になった俺にサトシは戸惑いを浮かべつつ、喜んだ。

心も体も開いて、何もかもを俺の前にさらけ出す。

 

 

「あ・・・・ぁ・・・しょう・・・ちゃ・・」

 

智くんより少し高い声。

智くんより少し小さい体。

智くんより張りのある筋肉。

智くんと違う恥ずかしげな表情。

俺が動きを変えると戸惑う顔。

 

智くんと違うのに。

智くんと同じ香りが俺をますます狂わせた。

 

 

 

 

「僕は・・・もう、これで翔ちゃんのもの・・・・だからね?」

 

「サトシは俺の・・・だよ。誰にも渡さない。

俺だけがサトシを好きにできる。

そうだよね?」

 

「うん。翔ちゃんの・・だから」

 

 

 

その日、その場所で。

サトシは俺のものになった。

 

 

 

第二部 How to fly  END