何日かかけて、保育所に慣れたサトシは昼間、通うようになった。
昼間、時間が空いた俺は智くんと過ごせるようになった。
「お仕事・・いいの?」
心配そうな不思議そうな顔をした。
「任せられる仕事はスタッフに任せてきてるから大丈夫。
研究所は俺がいなくても、ある程度回るように組織は作ってある。
どうしても、抜けられないときだけ、行くけど。
智くんと過ごす時間がもっと取りたくてね」
智くんは嬉しそうに微笑んだ。
食事も進むようになって、こけた頬も少しずつふっくらしてきた。
体もふっくらしてきた。
「大分、抱き心地が柔らかくなったね」
サトシのしっかりとした抱き心地とは全然違うが・・・
発病前の智くんの抱き心地に近づいてきた。
「うん。この頃、食欲があるから」
そのせいか?
血液の検査結果もよくなってきた。
体力も戻ってきたのか。
発熱することも減り、昼間、ベッドで過ごす時間も減ってきた。
部屋の中でまたいろんなことをできるようになった。
絵を描く時間も増えた。
絵だけでなく、粘土でフィギュアを作ったりもしている。
昼間、俺が部屋にいても、智くんが好きに時間を過ごしている。
体調のよさそうな日には外にドライブにも出かけられるようになった。
智くんの体調が整ってきている。
タイムリミットが伸びたのかもしれない。
このまま小康状態で過ごせれば・・・・