サトシ2歳。
これが世に言うイヤイヤ期というものか。
智くんの頑固さをそのまま写したような頑固さを持っている。
自分が気に入らなければ、イヤ!と叫んで、絶対に拒否する。
服を着替えさせようとしても、拒否。
泣きはしないが、オムツ一枚のまま、何時間でも座り込んでいる。
そのまま食事をしたこともある。
食事させるのも、一苦労。
その日によって、食べたいものが変わる。
今日はおにぎり、その前はパン。
気に入ると、ひたすらそれだけを食べ続ける。
栄養のバランスを考えた食事も好き嫌いなのか?
手をつけないものもある。
スプーン・フォークも使えるようになってきた。
うまく刺せなくて、癇癪を起こす。
手伝おうとしても、イヤ!と怒る。
わがままではないから、とことん付き合った。
付き合ったというより、好きにさせておいた。
服は何枚か出しておいて、裸のまま過ごさせた。
そのうち、自分で選ぶようになった。
食事も手づかみで持った食材を自分でフォークに刺す。
そうしてから、口に運ぶことを覚えた。
一番困ったのは、夜泣きだった。
夜中に目が覚めて、俺の姿がないと、泣き喚いて寝ない。
夜中にたびたび保育士に呼び出される。
夜中に目が覚めているのに、昼寝の時間は増えない。
昼寝の時間に智くんのところに戻るようにして、食事をさせていても・・・
昼寝から覚めると、また俺の姿を探して泣く。
俺への愛着が強すぎるような気がしたが・・・
主に世話をしている人間への愛着とはこんなものだろう。
泣きながら俺を呼んで、しがみついてくる顔が智くんそっくりだった。
その顔を見たら、離せなかった。
機嫌がよくなるまで、抱いていた。