熱がなくても、元々、食が細い智くんはあまり食べない。

注文して来た料理をそれぞれ数口食べただけ。

それでも、いつもよりは食べた方だろう。

 

「もう、お腹いっぱい」

 

と、ソファーに座ってお腹を撫でている。

智くんの手の上から、一緒にお腹を撫でた。

 

 

「今日はいっぱい食べられたね」

 

「うん。翔ちゃんと一緒だったし。

すごい美味しかった!」

 

腰に手を回して、智くんを引き寄せた。

細くて軽い智くんを引き寄せるのに、大した力は必要ない。

骨ばった骨盤が手に触れた。

 

 

「翔ちゃん?」

 

引き寄せた智くんは俺の肩に頭を預ける。

お腹を撫でていた手を俺の腰に回すと。

 

残った手が俺の頬に触れた。

頭を起こして、俺と目を合わせた。

キスをするように、智くんの手が俺を誘導する。

 

 

 

「翔ちゃん」

 

キスをしたのは俺。

でも・・・誘って仕掛けたのは・・・智くん。

 

 

 

 

「智くん・・・」

 

久しぶりに触れる、智くんの素肌。

智くんはヒクリと背を震わせた。

 

 

 

「ベッドに・・・連れてって」