「今日は熱は出なかった?

ちゃんと食事できた?」

 

今日は、顔色もいい。

機嫌もよさそうだ。

そんな日に一緒にいられなかったのは・・・

残念の一言では表せない。

この頃の智くんは発熱しない日の方が珍しい。

 

 

「うん。今日は調子よくって。

久しぶりに描きかけの絵の続きを描けたよ」

 

「そっか。

調子がいい日に一緒にいられなくて残念って思ったんだけど・・

絵が描けたなら、よかった」

 

「絵を描いてると時間がすぎるのあっという間だった。

気がついたら、夕方で・・・お昼ごはん食べるの忘れちゃった」

 

「熱がなくて、食べられそうな時はちゃんと食べなきゃ」

 

「うん・・・だからね。

おやつ食べたから・・・・夕飯まだ食べてないの。

翔ちゃんと一緒に食べたいな、って思って。

翔ちゃん・・・もう、ご飯食べちゃった?」

 

「まだだよ。

仕事から直接ここに来たから。

待っててくれたんだ。

何・・・食べたい?」

 

 

メニューを見ながら、智くんと選ぶ。

いつもは熱があって食欲がない智くんだけど・・

今日は熱がないから、食べたいものがいろいろあるらしい。

 

食べきれなくてもいい。

食べたいものを少しずつ食べてもらいたい。

 

 

智くんがこれもいいな、こっちも。

と、悩むものを片っ端から注文した。