「翔くん、明日、振り入れのレッスン行くんでしょ?
じゃあ、僕、釣りに行ってこようかなぁ〜」

久しぶりのフリーの休日。
翔くんと過ごせる・・かと思いきや。
翔くんは、まだ振りが入ってないから、自主練・・だって。

釣り?それとも画材屋でも久しぶりに覗きに行こうかな?
雑貨屋とかもいいなぁ・・・
なんて、いろいろ検索しながらウキウキしてたら。



「智くん・・・遊びに行っちゃうの?」

口尖らせた翔くんが僕を睨む。


「え?だって・・僕、もう覚えたし、踊れるし」

「俺を・・・置いて行っちゃうの?
もしかして、30分で覚えられたら・・
そのあと、いっしょに出かけられるかもしれないのに?
久々に休みが合ったのに・・・俺を・・・置いて行っちゃうの?」

・・・翔くんが覚えてないのがイケないんじゃん!
僕だってさ!
楽しみにしてたよ。
翔くんと一緒の休み!

なのに!
合同レッスンだけじゃ覚えられないから!!

翔くんの大きな瞳がうるうるしてる・・・気がする。
僕の大好きなイケメンが・・・ちょっと悲しそうになる。



「30分で・・・覚えられるの?」

「覚える!覚えてみせます!!
智くんとのデートがご褒美にあれば、覚えられる!」

「じゃあ・・・付いてってやるよ・・・」

しょうがない・・・よね。
だって・・・すごい寂しそうな目・・してるんだもん。