次の日、私は二人がいる部屋へと戻った。
二人はソファーで抱き合ったまま、まだ眠っていた。
これ以上ないほどにしあわせそうな顔をしている。

腕はしっかりと相手に巻きつけていて。
二度と離れることはない。
二人のそんな意志を表しているようだった。

二人は最高にしあわせな時間を過ごしたのだろう。


二人きりのその時間を終わりにさせるのは、心苦しかったが・・・
いつまでもそのままにしておくわけにもいかない。

声をかけて起こそうとしたが・・・

メモリがいっぱいになってしまっていたのか?
何かのバグが起こったのか?

フリーズしたままになってしまっていた。



メモリに残っているデータを確認しながら、考えた。
きっと・・・これは二人の意志が成し得た奇跡に違いない。

二人きりのしあわせな時間のまま・・・
自分たちの時間を終わりにしようと、決めたのではないか?


それまでのデータをキューブに書き込んだ。
メモリに残っている昨夜の出来事も保存できた。
おそらく、二人が望んだように。
私は二人の時間を終わりにできただろう。




5人分のデータキューブ。
DVDを取り込んだデータキューブ。
そして、この全ての記録を文章に起こしたレポートのキューブ。

新しく準備した箱に入れて、封印することにする。
タイムカプセルとして・・・
また何百年もの時を渡ることになるのかもしれない。


キューブは永久的に劣化しない記録媒体だ。
これを読んでいるあなたがいつの時代の人間なのか?
私には知る由もないが。
一つだけお願いがある。

大野智と櫻井翔。
この二人だけは起こさないで欲しい。




END