ひたすらパソコンに向かう。
仮歌が入ったその曲を延々と流す。
歌詞を読み込んで、景色を思い描く。

俺の描くリリックの世界がその景色にふさわしいか?
歌詞を補完するようにリリックが必要なのか?

オンでもオフでも、頭の片隅から離れない。

言葉の断片が頭を過っていく。
あれとこれを組み合わせると・・・
音の響き、単語の意味、ダブルミーニング、音韻。

いくつもの要素を探って探って。


なんとか納得のいく世界を描けるまで。
ただ、ひたすらに。
音と言葉とを追う。




それは頭の芯まで神経を張り巡らせる作業。
ソファーでぐたーっとしていても。
移動中、車で目を閉じていても。

頭の中にはいつも音楽が流れ、言葉の断片が飛び交っている。



そんな時、神経が昂って、夜はなかなか寝付けなかったりもする。
そんな自分がリセットをかけたい時。
ベッドで先に眠る智くんに手伝ってもらう。
ごめん、と、心で謝りながら。





「ごめん・・・」

心の声が漏れた。




「いつものことでしょ?
僕がいないと、眠れないんだから。
ほら・・・・おいで?」



音と言葉はどこかへ吹き飛ばされて。


頭の中は自分の欲望を満たすことだけでいっぱいになる。
そんな自分勝手な俺。




俺は智くんに包まれる。




☆★


下書きに眠っていたのを発見したので、上げてみます。
何きっかけで書いたんだかも忘れましたが〜